なんか色々と無理なんで家出しようと思います

家出計画20 ページ25

織田作side

「俺なのか？」

あまりにも予想外な言葉が返って来たので思わず俺は聞き返してしまった。


『うむ』

Aは頷く。

「そうか、何故俺を待っていたんだ？」

『宣言しときたいことがあるんだ」

宣言しておきたいこと？

Aは間を開けて云った。





『私、家出する』

俺はあまりに衝撃的な発言に頭がついていけなくなった。

俺は考え込むようにして云う。

「それはマフィアを抜けるということか？」

『うん、まぁね、其にしてもあまり驚いて無いね』

心外だな。

驚いているに決まっているだろう。

「いや、ものすごく驚いている」

『ホントー？』

「で、どうしてまた家出なんかを考えたんだ？」

『もう色々と無理だからだよ、周りとか、上司とか・・・・
お兄ちゃんとか』

Aの兄か、太宰のことで悩んでいるのは知っていたが、

Aは今、太宰のことをどう思っているのだろうか。

「太宰が嫌いなのか？」

Aは首を振る。

『嫌いな訳じゃない、むしろ好き。それは今も昔も変わらないけど、
お兄ちゃんは違う。私のこと嫌いみたい。それに耐えられないの。
ねぇ織田作逃げ出すことは悪いことかな？間違ってる？』



「間違いではないと思うぞ、其れがお前の選択なら
ただ、後悔だけはするんじゃないぞ」


『分かってる、絶対に後悔しない』

「なら良い」

俺はAに笑いかけた。

『有り難う、でも少し反対すると思ったのに拍子抜けしたー』

「そうか？Aはどうしてこの話を俺に話したんだ？」

マフィアから逃げることは出来なくはないが難しい

ましてや其れを人に話せば難易度はさらに跳ね上がるだろうに。


『えーだって黙って出ていったら織田作すごい心配するでしょ』

「・・・・・するな」

絶対に心配するな、横浜中探すと思う。

『心配かけちゃ家出ライフが満喫出来ないじゃないの』

Aらしい理由だな。

「そうか、家出した後はAに会えるのか？」

するとAは少し考えて

『うーん、もしかしたら案外和菓子屋で会えるかもね』








こうして暫く俺達の会話は続いた。









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