なんか色々と無理なんで家出しようと思います

家出計画17 ページ21

太宰Aはある人物を待ち伏せていた。

もうすっかり夕方だが、この日を逃せばもう会えないだろう。

奴はこの道を必ず通る。

そうすれば向こうも気づいてくれるだろうという寸法だ。

ちゃんと人と会うために冷や汗で湿った服も着替えてきた。

組織では阿呆女として有名すぎる私だが、一応乙女の端くれとして

さすがに見逃すことは出来なかった。


私が何故そもそも待ち伏せをしているかというと私の心残りを消し去るためだ。



私の計画は着々と進んでいる。

後、２、３日もすればマフィアからの脱出が可能だろう。

だが、このまま消えてある人物に心配をかけたくない無いのだ。

なので、きちんと宣言してから家出しようと思う。

其れで此処で待っていればその人物が来るはずなのだが、



既にもう5時間は待っていた。

暇で死に絶えることを越えて、仮初めの永眠に入りそうだった。

しかも、もう入りかけてる。

くそぉ、これじゃあ待ち伏せになりゃ無い。

駄目だ、頭が回んなくなってきたよ。

ア、アレ？

・・・・ひ、羊と八頭身の栗が、フラ、メ、ンコ？

こうして私は仮初めの永眠へと旅立っていった。



ふと夜の冷たい風を感じ目覚めた。

「・・・・・・・・・・・あ、ヤバい」

寝惚けていてすぐ気づけなかったが、本来の目的を

果たせなかったこと悟る。


『何がヤバいんだ？』

「いやぁ、待ち伏せに失敗してね、ん？」


隣から質問されたのでそれに答える。

ん？隣？

ゆっくりと声のする方へ顔を向けた。

そこには、念願の待ち人がいた。


『へぇ、誰を待ち伏せてたんだ？』

赤い髪におっとりとした喋り方をした男。

織田作之助だ。


「えっとね、織田作だよ」

私は指を指して云った。



『俺なのか？』









睡眠＝仮初めの永眠 (* ﾟ∀ﾟ)ﾉ

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