2 ページ2
gr side
「トントンに見つかる前に帰らなければ…！」
少々甘味を選ぶのに時間を使いすぎたようで、気づけば空がオレンジ色に染まっていた
これは、まずいゾ
ただでさえ城を抜け出せば説教コースなのに、今日に限って書類の途中に抜け出してしまった
バレたらやばい(多分もうバレてますよ)
だが、もう既に城下町へと捜索を始めていたら……すぐ捕まるな…
あ、そうだ
海の方を通れば少し遠回りだが、まぁ見つかりはしないだろう
よし、そっちを通ろう
ふむ、やはり海はいいな
浜辺で見る海もいいが、崖から見下ろす海も美しさは変わらない
いや、むしろこちらの方が今は美しく見える
ちょうど夕暮れ時なのがまたいい
「懐かしいな……」
ほろりと口から言葉が溢れる
懐かしい…？
何故、俺は今懐かしいと口にしたんだ？
この景色を見たのなんて、初めてだゾ？
いつもは、見るとしても昼間だけ
昔、何処かで似たような景色でも見たんだろう
そう自分を納得させて、また城へと歩き始める
歩いて行くと、少し先の方に海を眺めている人が見えた
もしかして、幹部の誰かにこっちから帰ってきてることがバレたか？と背筋が少しヒヤッとしたが、どうも違うらしい
幹部以外の人がここにいるなんて珍しいな
俺は黙ってその人の後ろを通った
が、その足はすぐに止まった
何故かは俺にも分からない
けど、横目でチラリと見た彼の背中が不思議と懐かしくて
体の力がフッと抜けて、甘味が入っている紙袋を落とす
そんな音にも気付いてないのか、振り向かずただ立っている
風に揺らされている髪は、とても綺麗で
思わず、息が詰まる
今にも消えてしまいそうな彼は
やっぱり、懐かしくて…、
俺の中の
「A…兄さん、？」
「は…っ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 688人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レオ(プロフ) - 待ってました！更新ありがとうございます！ちょっとおさなげな感じがすごく可愛かったです！ (2023年1月18日 2時) (
レス) @page26 id: e51b908c30 (このIDを非表示/違反報告)
優斗 - お、久しぶりに見に来たら更新じゃないっすか！！！嬉しいです^^（元ロクロです） (2022年6月14日 22時) (レス) @page23 id: e352abdd5b (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 更新だぁー!! (2022年4月11日 18時) (レス) @page22 id: e352abdd5b (このIDを非表示/違反報告)
ロクロ - 薔薇ネコさん» よかったぁｗ (2022年3月8日 12時) (レス) id: 65d7101284 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇ネコ - ロクロさん» コメントありがとうございます！4時に寝た分お昼ぐらいに起きたんでちゃんと寝てます！！大丈夫です！笑 (2022年3月7日 0時) (レス) @page21 id: c4e40ee7b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：薔薇ネコ | 作成日時：2021年10月28日 2時
