・ ページ21
.
『…ｳﾞｪ…ｯｹﾞﾎ……ｳﾞ…』
トイレの洗面台に駆け寄り、混み上がってきたものを全て吐き出す
洗面台が赤色に染まって口の中には鉄の味が広がった
暫くそうして、漸く吐き気が収まってくるが
『……ｧ……ｩ』
(…また声が出なくなってる。何でさっき出たんだろう……)
久々に聞いた、自分の声
何ヶ月もの間出していなかったためか、随分変わっていたような気がした
(……そろそろ戻らなくちゃ)
そう考えてトイレから出ようとした時、何処からか金属音のようなものが聞こえてきた
(……え)
聞こえ間違えかと思ったが、皆は教室にいるはずでこの近くには私以外はいない
そうこうしている間にも、何かを削るような音はどんどん大きくなっていく
(この音…隣から聞こえてくる…)
確か、隣は男子トイレだったような
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿
少し戸惑ったものの、どうにでもなれという気持ちで男子トイレに足を踏み入れる
と同時になる警報音
私に対して作動してしまったのかと焦っていたが、薄暗いトイレの中で誰かと目があった
「生徒1人発見！保護します」
(警察の人…？)
早くこっちに！と手招く警察
ふと頭をよぎった、今も教室にいるであろうさくらの存在
私がここで出てしまっては、誰が彼女の傍にいるのか
走馬灯のように今日の出来事が頭の中を駆け巡る
(…そう言えば、あの、)
ポケットの中に忍び込ませたソレの存在を確かめ、心の中でさくらに謝ると、
「生徒1人を保護しました！君、名前は？」
警察の手を取った
(ごめん、さくら…。すぐ戻るから)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハナ(プロフ) - 質問大丈夫ですか？ (2021年1月9日 14時) (
レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
とーめい(プロフ) - しぐ。さん» ご指摘ありがとうございます。ページも書いて頂き助かりました...！ (2019年4月28日 19時) (レス) id: c95def462b (このIDを非表示/違反報告)
しぐ。 - 29ページの怨恨が援交になってますよ! (2019年4月28日 13時) (レス) id: 255e0ad122 (このIDを非表示/違反報告)
とーめい(プロフ) - たなさん» ご指摘ありがとうございます。全く気付いていなかったので助かりました！ (2019年4月5日 15時) (レス) id: c95def462b (このIDを非表示/違反報告)
たな - 武智が武内になってるので直したください (2019年4月5日 12時) (レス) id: 06c58f3323 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とーめい | 作成日時：2019年1月21日 1時
