氷を溶かす。【呪術廻戦×文スト】

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Aside

あれ(・・)は事故だ。

買い物に出かけていた私は、途中、
車に撥ねられた。

でも打ち所が悪く、生きてはいたが
昏睡状態に陥った────。


目が覚めれば病院で、カレンダーを
見れば2017:12/30。

もうこんなに、時間が進んでいた。
私が事故に遭ったのは6月頃のはず
だから半年は寝ていたということに
なる。リハビリが大変だな。

そんな呑気なことを考えていれば、
ふと違和感を覚えた。

看護師さんの言葉だ。


看護師A｢そういえば最近、前髪さん()
いないわね｡｣

看護師B｢確かに〜。1週間ぐらい前から
来てないですよねぇ｡｣

看護師C｢あ〜、袈裟着てる男の人？
結構な頻度で来てたよね〜｣


看護師さんが私の世話をしながら話す。

私のお見舞いに来る人なんて限られて
いる。しかも、外見の特徴からするに
きっと夏油さんだ。

頻度も高い･･･。

それを簡単に怠るような人じゃないこと
は分かるから、何かあったと考えるのが
妥当だ。


──そのとき、唐突に嫌な予感がした。

背中を嫌な汗が伝う。



嫌だ。

信じたくない。

違う。

考えすぎだ。

嘘だ。


──でもそうだろう？



夏油さんが言っていたことが本当なら、
あり得るのかも･･･しれない。

でも、信じたくない。
受け入れられない。


連絡してみた。

繫がらない。










夏油さんは帰って来ない(死んだ)のだろうか。




そう考えると涙が溢れる。

嗚呼、いつぶりだろう。

涙を流したのは。

声を上げて泣いたのは。

｢うっ、うぅ、｣


《大丈夫、大丈夫だよ》

冬なのに、暖かい風が吹いた。


夏油さんかな。

夏油さんならそう言って
慰めてくれるだろうか。


慰めてくれるならこっちに来てよ。

初めて言ったワガママ、叶えてよ。

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