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She ページ19

初めて彼女を見た時、天使みたいだと思った。

僕とAが初めて出会ったのは、釜山の実家近くにある教会だった。ステンドグラスから差し込む光に照らされた彼女は、その美しい顔立ちも相まってなんだか神々しかったのを覚えている。

僕の母親とAの母親は高校の同級生で仲が良かったから、僕と彼女が友達になるのは自然な流れだったと思う。
「A…です。」
母親の背に隠れるようにして僕に挨拶をしたAを一目見た瞬間が、僕の初恋だった。
彼女はいつもヴァイオリンを背負って、お稽古バックを持って教会に来ていたから、みんなの人気者だった。彼女自身は控えめな性格で周りに一線を引いていたけれど。

僕はとにかくAと仲良くなりたかった。初恋の女の子のことをもっと知りたい。その一心で話しかけていたら、いつの間にか僕の隣が彼女の定位置になっていた。

僕が昔神父さんになりたかったのは、「神父さんならいつでもAと会えるし、悩みも聞いてあげられるよね」なんていう邪な考えが実はあったからだ。ファンには絶対言えない話。


毎週日曜日はAと会える日。それが当たり前だと思い込んでいた僕に激震が走ったのは、彼女がソウルに引っ越してしまうという事実を知ったその日だった。
ただただ悲しかった。こうなったら僕の気持ちをAに伝えてしまおうと思ったけれど、僕を見てわんわん泣く彼女を見たら、勢いがそがれてしまって言えなかった。

彼女がソウルに引っ越してから、僕も歌手になるという夢を見つけて努力し始めた。彼女が何か賞をとっただとか、CDデビューをしただとか、話題になるたびに僕も頑張ろうと思えた。
事務所のオーディションに合格した時、嬉しくて彼女に手紙を書いたのを覚えている。サバイバル番組に出演した時も、デビューショーケースの時も、彼女に手紙を書いた。彼女はいつも丁寧に返事を書いてくれて、そんな彼女のあたたかさに僕は何度救われたか分からない。

だから、今度は僕が彼女を救いたい。
僕の腕の中で震えながら泣く彼女を見て、そう思った。

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作品ジャンル:タレント
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作者名:tomchi | 作成日時:2024年3月6日 21時

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