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Salvation ページ18
ジョンインが電話に出たと分かった途端、私は縋るように言葉を継いだ。
「ジョンイン、あいたい、おねがい、おねがいよ」
「A、泣いてるの?今行くから、どこにいる?」
「…オリンピック公園、の、ちかく」
しゃくりあげながら今いる場所を告げるとジョンインは、はっと息を飲んだ。
「僕、今ちょうど事務所にいて。近いんだ。すぐにいくよ。まってて」
電話口でごそごそと音がする。準備しているのだろうか。
「心配だから合流するまで電話を繋いでいよう。なるべく目立たないところにいて。」
それからジョンインはずっと電話を繋いでいてくれて、号泣している私を見つけるとわき目もふらずに駆け寄ってきた。
「何があったの…って、話せる状態じゃないよね」
場所を変えよう、とジョンインが私の手を引いて歩きだした。
相変わらず私は号泣していて何も話せなかったけれど、ジョンインに繋がれた手があったかくて、それだけで救われるようだった。
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作者名:tomchi | 作成日時:2024年3月6日 21時