おやすみなさい青色編 ページ12
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深夜。インターホンが鳴った。こんな時間に普通インターホン鳴らす？そう思いながら出てみると、にこにこふにゃふにゃしてるAがいた。
「来ちゃった」
一昔前のドラマの台詞みたい。りょうくんに会いに来たよって言いながら笑うA。うん。酔っ払ってるね。
「飲んできたの？」
「うん、ゆめまると一緒にね。ゆめまるはもう一軒いこうって言ったんだけど、これ以上のんだらやばいと思って逃げてきたの」
「なんで俺のとこきた？」
「帰ってひとりになったらさみしいから」
さみしいからって俺のとこ来るとかかわいすぎ。
りょうくんお風呂はいりたーいって言いながら、玄関を通り抜けて行くAを追いかければ、浴室に直行してシャワー浴びようとしてた。
「Aちゃん？お風呂に入る時は、服を脱ぐって知らなかった？」
「ん、めんどくさいなって思って」
「服着たまま入るほうが後でめんどくさいでしょ普通に」
「じゃあ、りょうくんがぬがして」
この酔っ払いめ。無防備すぎるとかそういう問題じゃないくらい無防備。ばか。そんなところもかわいいと思えちゃう俺も結構な馬鹿だけどね。
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「お風呂ありがとでした」
「髪ちゃんと乾かさなきゃ駄目風邪ひくよ？」
「乾かしたもんちょっとだけ」
どう見ても濡れてる髪に触れてみれば、案の定しっとり冷たくて。まったくうそつきだなぁ。おいでって洗面所まで連れてって、髪の毛乾かしてあげる俺って優しすぎじゃない？Aにしかしないよこんなこと。
「ねぇ、りょうくん」
「何？」
「急に来てさ、迷惑だった？」
「別に。ていうか今更じゃない」
「りょうくんが迷惑だからやめなさいって言ったらやめるよ」
「やめなさいって言ったら、Aは俺じゃない誰かのところに行くでしょ」
「ん、多分としくんかてっちゃん」
「それ俺はやだな。Aがさみしくなって来るのは俺のところでいいの」
「また夜中に来るかもだよ」
「いいよ。Aは特別だからね」
変なこと気にしてないで寝るよって言ったら、ぎゅって抱きついてくるA。抱き締め返して頭を撫でれば、りょうくん大好きなんて言ってふにゃりと笑った。
「りょうくん、明日デートしようよ」
「Aが起きれたらね」
「そこは起こしてよ」
「どうしようかな」
「いじわるだ」
「うそ。起こすよ」
「ドライブがいいな。運転してるりょうくん好きだから」
「いいよドライブね。明日眠いのやだからもう寝るよ」
「りょうくんおやすみ」
「おやすみ」
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作者名：花 | 作成日時：2019年4月28日 14時
