【J西】黄色受け短編集【BL】

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「ほんで何悩んでんの？」
淳太おすすめの居酒屋で乾杯した後に早速と話題をもちかけられる。

「んぇ、悩みとか別にないで？」
「いや、のんちゃん暗い顔してたから…。」
そういえばこんな事になったのはそれが原因やったなーと他人事のように思い返して
「別にちょっと淳太と飲みたかっただけ。」と答える。
あなたのことが好きすぎるから悩んでるんです。なんて言える訳もないから笑って誤魔化すと
「もーーなにそれ！かわええなぁのんちゃんは。」
と頭をやさしく撫でられる。
こんな時間が続けばいいのになぁってぼんやり考えながらアルコールを流し込む。

しばらくしてトイレから帰ってきた淳太がなぁのんちゃん見てぇ？と隣に座ってスマホを見してくる。
近すぎてふんわり香る香水の匂いに鼓動が少し早くなっていく。
ペットの写真を見せながらくふくふ笑う淳太にきゅんときて犬より淳太の方ばっかり見ていたらそれに気づいたのか気づいていないのかスマホから上がった目線がかちりと合いそのまま淳太のぷっくりした唇に惹かれる。

…なんか俺らいい雰囲気ちゃう？
「…じゅんた」
絞り出した声はちょっと掠れて熱っぽくて少し恥ずかしい。
「のんちゃん、酔ってる？」
「…うん、そうかも。」
お酒のせいにして淳太の肩に頭を置き手を少し握る。
甘えたやなぁって上機嫌に新しいお酒を煽る淳太の呼吸と共に揺れる体が愛おしくこのままずっとおれたらなぁ。って阿呆なこと考えていてもやっぱり終わりが来てしまうものでタクシーでちゃんと送り届けてくれた淳太と別れてシャワーを浴びて眠りにつく。
明日はもうちょっと淳太といれますように。なんて乙女に考えながら。


それからちょっと心を許して貰えたのか飲みに誘われる事が多くなって少し変わった事がひとつ。
どこに飲みに行っても必ず隣に座って来るようになった。ぶつかる肩や香水の匂いを敏感に感じ取ってしまいドギマギする俺なんてつゆ知らず今日あった楽しいことを話す淳太は可愛らしくずっと見ていたくなる。

今日も変わらずタクシーで送ってくれる淳太に仲良くなったしちょっとくらいアピールしてええよな？なんて考えて
「なぁ、帰りたくない。」
ってめんどくさい彼女みたいなこと言ってみる。
少し考える素振りをしてほんなら…と口を開く淳太。




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