隠れた月 (ページ3)

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１話の月ページ3

A視点

…廊下が騒がしいですね。

まあ、当たり前ですか。

今日から、11人も増えるんですから。

なんて思っていると…。

ｺﾝｺﾝ

『ヒッ…。』

ノックの音。

ドアスコープを覗くと、同い年位の団体。

挨拶しないと…。

でも、怖さが勝り、鍵を開けられない。

『ごめんなさい…。』

ドアの前で、呟く。

私なんかを訪ねて頂き、

ありがとうございます。

そしてごめんなさい。

どうしても、信じられない。

―あんたなんて、最初から嫌いよ。―

―俺の性的オモチャだろ？―

―テメェが悪いんだよ。―

―そこで虫でも集めてなよぉ。―

―お前のせいで負けた！―

―止めてッ！紐をほどいてッ！―

…数えきれない痛々しい記憶。

私がいなくなって、皆さん喜んだでしょうね。
ｱｿﾋﾞ
ストレス発散の為の、
ｵﾓﾁｬ
玩具だったんですから。

悲しんだとしても…。
ｵﾓﾁｬ
玩具が無くなった位でしょう。

「…いないのかな？｣

「また来ようよ！｣

ごめんなさい。

次は、扉越しでいいですか？
ｵﾓﾁｬ
玩具の分際が、

出来ることはそれだけなんです。

でも、誰か…。
ｵﾓﾁｬ
玩具から人間に戻してください…！