131話 ページ3
「……で、これが落ちてた」
一同は城内、会議室に戻っていた
珍しくその中心に立つのは大先生。Aの失踪の経緯を説明しているようだ
これ、とインカムを振ると、一同の視線はそれに集まる
ユウカイ、と直線的な文字に、声にならない不安があたりを漂った
「…それは本当なん、大先生」
大先生は黙って頷く
「……これは、由々しき事態、とか言ってる場合ちゃうな」
こめかみを押さえ、険しい顔で呟くトントン
呼応する様に皆、口々に話し始めた。
「何か手がかりはないんか?Aの行方の」
「確か軍服のボタンには発信器がついとる。それを辿れば…」
「待てや。犯人の意図がわからへんかぎり、下手に動くとAが危ない」
「っじゃあどうするん⁉︎待ってアイツが殺されたら?酷い目に遭うたら?じっとしてられへんわ‼︎」
「そうやって性急に動いた方がAがより危なくなる、言っとんねん」
「テメェっ……」
コネシマがオスマンの胸ぐらを掴む
黙って、冷たい目をして相手をみるオスマン
「おい、お前らっ‼︎ケンカしとる場合か、やめい」
見かねたペ神が睨み合う二人の間に入り、そっとコネシマの拳を外した
「………クッソ、がよぉ…‼︎‼︎」
コネシマはやり切れない気持ちで頭を抱え、しゃがみ込む
その横顔、金糸の奥に見える空色は涙で滲んでいるように見える
「Aを……助けなあかんのに…!」
「…最初からそう言うとるやろ」
「おい、マンちゃん!」
さらに煽るような事をいうオスマンに、慌ててひとらんが声をかける
それに構わず淡々と続ける
「今、俺らの目的は一緒や。Aの奪還で統一されとるやろ?
それなら、団結以外の選択肢は無い。お前が言う通り早よせんとAが死ぬかもしれん。だから…
泣いてる場合ちゃうやろ。いつもの馬鹿でかい声で場を動かして貰わんと」
ほら。
そう言って、手を突き出した
それを滲む視界で見上げるコネシマ
「……え、説教料?」
「ちゃうわ!手ェかしてやるって言っとるめう‼︎立てよ‼︎」
「あっ」
金取られるのかと…と素直に手をとって立ち上がる
少し元気を取り戻したコネシマに、オスマンは微かに…安心したように笑った。
「…なぁんだ、ただのツンデレかよマンちゃん」
「ちょっとよく判んないめぅ〜。今は彼奴の力が必要、てだけの話。…別に仲間思いとかちゃうし」
こそっと話しかけたひとらんに、オスマンはそっぽを向いて答えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
774号（現在稼働中）(プロフ) - Nebelさん» もちろんです！掲載は遅くなってしまうかもしれませんが……ですが、リクエストを頂けるの、本当に嬉しいんです！いつもありがとうございます！！ (2022年8月19日 8時) (
レス) id: a4d1e34ed0 (このIDを非表示/違反報告)
774号（現在稼働中）(プロフ) - マロンさん» ぁ、コメント欄に天使様が……！(跪く)今日中には1話更新できると思うのでどうかお待ちください…！ (2022年8月19日 8時) (レス) id: a4d1e34ed0 (このIDを非表示/違反報告)
Nebel(プロフ) - ！？ 2つともリクエスト書いてくださるんですか！？本当にありがとうございます!！本当に4回目にもかかわらずリクエスト聞いてくださってありがとうございます！! (2022年8月19日 2時) (レス) @page40 id: ad724ae68b (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - リクエストを受けてくださるだけでありがたいです！いくらでも待ちますので、無理せず書いてくださいね (2022年8月19日 1時) (レス) @page40 id: 3bf4e7811a (このIDを非表示/違反報告)
774号（現在稼働中）(プロフ) - Nebelさん» 4回目!!!感涙です!!!もちろん、お受け致します!!!せっかくなので2つとも書いてしまいますね。マロン様のリクエストを書き終わったら直ぐ取り掛からせていただきます!! (2022年8月18日 11時) (レス) id: 982b5437b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：774号（現在稼働中） | 作者ホームページ：os復活！！うおぉおおおおおおおおおおおお！！！！
作成日時：2022年6月26日 21時
