【鬼滅の刃】謎の部屋に閉じ込められまくる女の子のお話 【短編集】

抱擁をしろ【宇髄天元】壱 ページ11

『ウワァァァァ！離してくださぁぁい！』

「おいおい、派手に泣いてんなぁ、離したらお前が派手に死ぬだろうが」

『そうですけど！』

「まぁ、そう言うな。この俺が派手に着地してやるから」

『イィィヤァァァァ！』

えっと、今、横抱きされながら落下しています。
こんにちは。Aです。
えっと、今ですね、前代未聞の一緒に落下する事件が起きています。
私は横抱きにされているから死なないだろうけど、この派手柱の宇髄さんが離したら私は、色々な面で死ぬ。本当に。

『お、お願いですから！離さないでくださいよ！』

「さっきまで離せとか言ってたのはどこの誰だったか」

『私ですけども！離さないでください！っほら！もう下が見えてきましたよ！』

「おうおう、俺が派手に着地してやるよ！」

え、やめて、派手に着地って何だそれ

「おーらよっと」

全然派手じゃねーじゃねーか

『派手じゃない…』

「うるせー！ちゃんと下ろしてやったんだから感謝しろ！」

『ありがとうございます』

「んで、ここからはどうやって出るんだ？」

そーだ、忘れてたわ。

『えーっと…この部屋あるお題を達成したら出れます』

「そうかい、ならそのお題とやらを探せば良いんだな？」

『いや、もう見つけてます』

「……そうか、で、そのお題は何だ？」

え、言いたくない。まじで、絶対嘘だーとか言われるやん。やだぁー笑われるー

『じ、自分で探してください』

「何だと？教えろ、お前」

『め、目の前にありまっする』

「あぁ？」

【抱擁しないと出れない部屋】

「…派手に地味なお題だな」

いや、派手なのか地味なのかどっちかにしろや

「お前が隠すくらいだから、もっと派手なモンかと思ったぜ」

『私にとっては派手派手なんですが』

あぁーまぁ、そうだよな。嫁三人いるもんな、この人、あぁーくそやろう！これを地味と言える脳で羨ましい！

「おら」

私がグダグダ考えていると、宇髄さんがそう言って両腕を広げた。

え。

『私から行くんですか』

「それ以外に何がある」

『宇髄さんから…』

「それは駄目だ」

何故に？

「俺は嫁がいる。そんな俺がただの戦友のお前に抱き着くなんて、俺が許さない」

いや、嫁が許さないんじゃなくて、宇髄さんが許さないのね…意味分からん。

『…』

これ以上何が言っても埒が開かないと思ったから私はおとなしく抱きついた。

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