100話 ページ9
・
______住まない？いっしょに
その言葉でやっとこのカギについて聞いてきた彼の意図に気付いた
理解したつもりでも何となくで
「…………へ？」なんて
間抜けな声が漏れた
そんな私を見てくふっと笑う姿は、こんな状況下に置かれてもかっこよく見える
私ってやっぱり末期だ…
「別にすぐにって訳じゃねえし。
嫌なら断っててくれてもいいけど…
俺は、ずっと、Aといっしょに居たいって思ってるから」
「ずるい…」
「…ん？今何つった？」
小さく呟いた言葉は彼には届かなかったらしい
届かない方がいいのだけど
そんな、真っ直ぐ見つめられて
バカみたいに真剣な顔して
私が断るかもしれないなんて、本当に思っているんだろうか
答えなんて、ひとつしかないのに
さっさと言えばいいものを
いらん考えを巡らせてなかなか口を開かない私を見かねて
首を傾げて「嫌？」なんて、無駄に可愛さ出してきやがる
ノックアウトだから
まじで萌え死にするから
嬉しさやら、ときめきやらで込み上げてくる気持ちでちょっと息苦しくなる
嫌じゃないことだけはすぐ伝えたくて首を左右にブンブンって振ってれば
だんだんとぼやけていく視界
その途中でゆらりと揺れる彼の瞳が一瞬映った
有り得ないのに首振ってるせいだって自分に言い聞かせて
今にも零れそうな涙を見られまいと彼の首に腕を回した
それからギュって力を込める
そしたらキヨも腰に手を回してギュって返してくれる
それがすごい幸せで、きゅうって胸が縮んだ
「えへへ…すっごい嬉しい…
絶対今、世界でいっちばんの幸せ者な気がする…
ありがとうキヨ………大好き」
「何、その嬉しすぎる言葉のオンパレード」
らしくない言葉を言ったからか「どこで覚えたんだよ」って笑って肩が少し上がる
脳裏に照れくさそうに微笑む彼の顔が浮かんだ
今日イチで加速しているであろう心臓はもう止まってしまうんじゃないかって思った
耳から聞こえてくるドクンドクンって音が、彼の心臓の音な気がして
……もしかしてこんなに速く聞こえるのって、キヨの心臓の音も混ざってるからなのかな
なんて、都合よく解釈した
それがただただ心地よくて、こそばゆくて
ちょっと恥ずかしくなって
「ありがとうキヨサンタ」
心情を悟られないようにそう言って誤魔化した
ーーーーーーーーー
100話！！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 836人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
肖(プロフ) - とまとまさんおかえりなさい！たまたま開いたら久しぶりの更新にびっくりしました。続きが読めるのは嬉しいです。とまとまさんのペースで無理なく執筆してくださいね、応援しております。 (12月3日 6時) (
レス) @page26 id: 9ceaca4458 (このIDを非表示/違反報告)
し ろ 。 - キヨかっこよすぎてキュン死ですね…!!!あと、文才めっちゃありますね!!!すごい面白いし読みやすいです!!!場面の展開とかもバラバラじゃなくて神だと思います(笑)更新頑張ってください!!!楽しみにしてます♪ (2017年2月7日 22時) (レス) id: a304645968 (このIDを非表示/違反報告)
°実況LOVE。 - こんばんはー！作品やっぱり面白いなぁ。っと、思いながら最初から読み返してましたー。 更新大変かと思いますが、お体に気をつけて頑張ってください！キヨ！大好き！ (2016年2月25日 22時) (レス) id: 740aa6aa43 (このIDを非表示/違反報告)
とまとま(プロフ) - あかりさん» 遅くなり申し訳ありません(_ _)わざわざコメント下さりありがとうございます…！これからもよろしくお願いします！！！ (2016年1月26日 15時) (レス) id: d08816e14f (このIDを非表示/違反報告)
とまとま(プロフ) - 時雨。さん» ありがとうございます…！やっぱりなんか癖とかが出ちゃうんでしょうかね( 笑 )でも喜んでもらえて何よりですっ！ (2016年1月26日 15時) (レス) id: d08816e14f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とまとま | 作成日時：2015年12月5日 10時
