初恋は叶わないって誰が言ったの？【TH】 (ページ2)

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jk「あ、おはよ。ヌナ

もうちょっと寝てても良かったのに…」

残念そうに離れた弟に、寝てて欲しいならそんなにキツく抱きしめないでよって言いたい所だけど、その言葉をぐっと飲み込んだ
久しぶりの可愛い弟だしね、今日は許してあげよう

『…おはよ

ぐーちゃん、今何時？』

jk「そろそろ18時かな

オンマが夕飯出来たから呼んできてーって」

『あー…、もうそんな時間なの？

ありがと、すぐに行くから先にリビング行ってて〜』

jk「ん、分かった！
俺腹ペコペコだから早く来てね」

『うん』

寝起きで重い体をなんとか起き上がらせてから、深いため息が出た

なんとまぁ懐かしい夢を見たもんだ…

中学時代の初恋の人が告白をする瞬間
…もちろん相手は私ではなく、別の女の子

あの頃の私はてっきり彼も私と同じ気持ちなんだと勘違いしてたせいで、それはそれは悲しいやら恥ずかしいやらで…

結局あの日彼と話すことなく家に帰って号泣した

そして次の日
彼の誕生日に渡すはずだったデッサンを見付けた先生が、コンクールに勝手にエントリーしてそれが運良く入賞していて
ソウルで展示された事がきっかけでソウルの芸術学校から我が校へ来ませんかって内容の電話が来た

元々受験してた学校は合格してたけど、まだ手続き前だったし
急だったけど、親と泣き縋る弟をなんとか説得してソウルへと上京したことにより、そのまま私の初恋は静かに幕を閉じた

それから入学して1年の夏
授業で、企業のデザインコンテストに参加することになり
軽い気持ちで幼い頃からよく描いていたキャラクターを提出した所、それが優勝作品となり商品化され、若い女の子を中心にヒットしたことにより、トントン拍子でその会社に入社することになった

学業と両立出来るようにセーブしながら…と言っても私にとってその仕事は趣味の延長線上のものだったから、楽しくて、時間さえあれば仕事ばかりしていた
長期休みも、正月でさえも、実家に帰ることなく忙しく過ごしていた

そして今日はソウルに行ってから初めての帰省をした日だった

…だからあんな懐かしい出来事を夢で見ちゃったんだろう

本当は忙しいし例年通りソウルで過ごしたかったけど、今回は私の成人式があるし…晴れ姿くらい親にみせてあげたいから仕方ない

jk「ヌーーナーーー！！！」

あ、とりあえず今はご飯ご飯…

鏡を見て軽く髪を整えてから、家族の待つリビングへと向かった

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