検索窓
今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:102,140 hit

CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ ページ46

「はえ〜、Aちゃんがひとらんのね〜」

次配られる動機の内容を話し合ったが、分からないものを考えても無駄だった。
話が終わった途端ゾムくんは、肩の力を抜きながらそう言って深く座り込む。

「うん、驚いた?」
「すごく」

彼は足を組みながら答える。

「…でも、そうなると一つだけ変なところがあるんだよね」
「ん?一つだけ変?」

きょとんとした彼に、私は「うん、一つだけ」と頷いて繰り返した。

「何が?」
「今回の動機だよ。‘‘殺すべき人物’’って言い方で指名してたけど、あれって結局何が基準で決まってるんだろ」

私がそう尋ねると、彼は少し考える素振りを見せてから「…嗚呼、確かに」と言った。
ひとらんくんにとって殺すべきなのは、私のはずだ。
なのに彼の動機で指名していたのは、全く関係のない大先生。
お陰で彼は巻き込まれた上死んでしまったわけだが、何故大先生だったのかも分からず終いだ。

「ひとらんくんの動機が私じゃなかったことを考えると、過去の繋がりはあまり関係なさそう」
「かと言って俺らはここで初めて会ったわけやし、殺されるような理由なんて無いやんな」

「ましてやAちゃんに」なんて言う彼に、私の動機で指名されたのがゾムくんだったことを思い出す。
他の全員が、私とひとらんくんのような繋がりを持っているとも言い難い。
茶番ちゃんの動機は、ただのはったりだったのだろうか。


「俺らを拉致した奴はまだ一度も姿を見せたことがないし、この学園の何処にいるのかも分からない」
「何で拉致犯は私たちから隠れる必要があるの?」
「姿を見せると、きっと俺らが逆らうからや。形の見えない恐怖こそ人を支配できる」

拉致犯の真意も、この動機の意味も、犯人が見えたら分かるのかもしれない。
それだけ犯人は私たちから大きなものを隠し続けているのか。
そんな壮大なことをぼんやりと考えていると、ゾムくんが「案外口だけのロボロみたいなチビやったりしてな!」と冗談めかしく笑った。
茶番ちゃん越しだからこそ、想像は膨らむ。
確かにロボロくんみたいな身長の人なら、私たちは拍子抜けしてしまうだろう。
それなら隠れて姿を見せないのも分からなくはないと、私もつられて笑った。

CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ→←CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (109 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
149人がお気に入り
設定タグ:我々だ , wrwrd! , パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

わたうさ@火星人☆(プロフ) - 名無しくんさん» ご愁傷様です…(´ー`;) (2019年9月23日 12時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん - 推しが…死にましたぁ…(°▽°) (2019年9月23日 11時) (レス) id: f915d9c3de (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 閑さん» はじめまして、いつも閲覧有難うございます!私も大好きで、d!様と原作者様には感謝しかないです…かたつむり更新ですが自分のペースで頑張ります!有難うございます! (2018年12月28日 14時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
- はじめまして、いつも楽しく見させて頂いてます! d!もダンロンも大好きなので主さんには本当に感謝しかないです…これからも更新など頑張ってください (2018年12月28日 14時) (レス) id: 8c1224d0db (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 蒼空さん» ひえええ!両方推しだったなんて!!今後名前だけでも沢山出します!!これからも閲覧お願いします!コメント有難うございます! (2018年12月15日 17時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わたうさ@火星人☆ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年10月16日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。