【wrwrd!】ダンガンロンパLast〜ボクらのカンキンユートピア〜Part4

CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ 捜査 ページ16

大先生と分かれた後、私は体育館へ向かった。
広い体育館へ入ると、そこには舞台に座り込んでいるショッピくんがいた。
大きな体育館だからか、いつもと違って彼が小さく見える。

「あっ、Aさん」

彼は私に気がつくと、舞台から降りて来た。

「ここの捜査ならもう終わりましたよ」
「収穫はあった？」

そう尋ねると彼は「まあ、一応」と答える。
また舞台に上がり直すと、彼は舞台袖の方へ入って行った。
私も追いかけるように舞台に上がり、袖幕に入る。


「事件前はここに長いロープが置いてあったんすけど…」
「なくなったの？」
「はい、でも多分映画鑑賞の準備で使ったんやと」

大した収穫ではないと、ショッピくんは不満そうに私から目をそらした。
他にもまだ捜査しきれていないことがあるのではないかと、私は辺りを見渡す。
するとショッピくんは思い出したように「あっ、それと」と続けた。

「殴打って書いてあったんで、ここの器具全部調べてみたんすけど血痕はついてませんでした」
「わあ、有能だ」
「まあもしここの器具を使ってても犯人は元通りに戻すでしょうし、血痕がないのも当然っちゃ当然っすけど」

前回の事件の時もそうだが、ショッピくんの捜査は抜かりないように思える。
超高校級の探偵だと言われても納得できてしまうほどに、彼は周りをよく見ている。


「ショッピくん、探偵事務所立ち上げたら？」
「奇遇っすね、丁度俺もそう思ってたところです」

「俺って結構使えますよね」と続けるショッピくん。
自信があることはいいが、自分で言ったらいけない気がする。

「俺のこと、Aさんの助手にしてくれてもいいですよ」
「…冗談だよね？」

一体私の何の助手になるというのだろうか。
思わず真顔で尋ねた私に、ショッピくんは吹き出すように笑った。
相変わらず考えていることはよく分からないが、動機を配られたときよりギスギスした空気はなくなっている。



暫くショッピくんと他愛もない話をしていると、「ピンポンパンポーン」という茶番ちゃんの声が流れ始めた。

『始めよう諸君！お待ちかねの学級裁判を！！みんな、玄関ホールに集合してください』

今回も放送はそれだけ伝えると、あの痛い音を立ててブツッと切れてしまう。

「…始まったか」

そう呟いて歩き出したショッピくんを、私は慌てて追いかける。
私たちはまた、この中からひとらんくんを殺した犯人を見つけなければならない。
私はこの震えを、武者震いだと思うことにした。

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