はじまりの超高校級 ページ5
「なんや、Aさん目が覚めたんや」
コネシマくんとシャオロンくんに手を振り終えると、また別の声が私に声をかける。
声のした方に目を向けると、其処にはまたまた男子生徒が一人立っていた。
他の生徒に比べて体が大きいせいか、私は思わず「わっ」なんて声を漏らして彼を見上げる。
重たそげな膝まで伸びるマフラーを着けた、白に近い灰色ベースの学ランを着ている男子生徒。
「とんち、Aちゃんに自己紹介してや」
とんちと呼ばれた彼は「そやな」と言うと私の首を気遣ってか、一歩だけ下がった。
「俺はトントン、‘‘超高校級の不運’’って呼ばれとるから…あんま近くに居らん方がええかもな」
トントン
《超高校級の不運》
不運だなんて超高校級もあるのかと私は驚く反面、運も実力のうちというし、それも才能なのかと納得した。
するとトントンくんはそんな私を悟ってか、言葉を続ける。
「例えば、学校から手続きの書類を渡されたとき、俺のにだけ大事な書類が入ってなかったりとか。普通に廊下歩いてたら喧嘩してた奴の握り拳がぶつかって、よろけた先にあった窓ガラス割ったとか…」
「不運だね」
「不運やろ、あとで先生に怒られるやつやで」
トントンくんは思い出して、一人溜息を吐いた。
私とマンちゃんは其れに、ただ苦笑いを浮かべるだけ。
「あとは、工事現場から石の破片が猛スピードで自分にだけ飛んでくるとか。人違いで命狙われたりとかあるけど、これはそんなに辛くなかったかな」
「逆によく死ななかったね…」
「…ある意味、強運やな」
私には一生理解できない苦しさがあるんだろうな、なんて考えてみる。
どうやら超高校級は自分に都合の良い才能ばかりではないらしい。
「うちの教団に入信してみたら？少しは変われるかも」
「…いや、やめておくよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - blackappleさん» そのまま本家のキャラを持ってくるのもどうかと思ったので、茶番ちゃんにしてみました！体験版なのでストーリーは違いますが、本編もよかったら覗いてみてください！有難うございます！ (2019年8月15日 1時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
blackapple(プロフ) - モノクマさんまさかの茶番ちゃんですか笑すごく好きです！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: a2bedeb8e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
