捜査中 ページ36
スライド式の扉を開けると、其処には懐かしさを感じさせる理科室が広がっていた。
そして黒板の側にある棚の前に、しんぺいくんは立っている。
「しんぺいくん」
そう声を掛けると彼は、私とマンちゃんを視界に捉えた。
私たちはそんなしんぺいくんの側に寄ると、彼が見ていたものを覗く。
どうやらしんぺいくんが見ていた棚は、薬品棚のようだ。
準備室はないみたいだし、此処にあるのが全てだろう。
「何か探し物？」
「うん、まあね。実は薬品の減り見ててさ」
「薬品の減り？」
マンちゃんがそう聞き返すと、彼は「グルッペンの本当の死因を探してるんや」と答えた。
本当の死因？
茶番ちゃんファイルには「致命傷は腹部の傷」と確かに書かれていたはず。
それにグルちゃんの死体を見ても、他に外傷なんてなさそうだったが。
「グルッペンの死体を開けない以上、このファイルも本当に信用していいのか分からんし、可能性の話としてね」
しんぺいくん、結構疑り深い人みたい。
やっぱり自分の目で見たものしか信じないってタイプなんだろうか。
「…だから、毒殺の可能性も考えて薬品の減りを確認しに来たんやな」
「そう、そういうこと」
「それで？成果はあったん？」
マンちゃんの質問に、しんぺいくんは嬉しそうに口角を上げながら「そりゃね、勿論」と笑った。
そして薬品棚から、一つの瓶を手に取ると「じゃじゃーん！」と言ってそれを私たちに見せる。
「これだけ半分減っててん」
「…何これ、‘‘茶番ちゃん薬品’’？」
名前からしても、茶番ちゃんが用意したものだろう。
しんぺいくんからその小瓶を受け取ると、私は「茶番ちゃん薬品」の文字の下に小さく書かれた説明文を読む。
‘‘この薬品は、初心者様でも扱えるよう茶番ちゃんが用意した特別な薬品です。’’と書かれている。
すると嬉しそうな顔から一変、悔しそうに顔を顰めるとしんぺいくんは続けた。
「でもな、これ睡眠薬らしいねん」
「睡眠薬？」
「しかも即効性はあるけど、この小瓶半分じゃ致死量もいってない」
「じゃあこの睡眠薬が死因ってわけじゃないんや」
「くっそ、絶対毒殺やと思ったのに！」と拳を握るしんぺいくん。
まあグルちゃんの死体の状況から見ても、毒殺は考えにくかったが。
それにしても、この睡眠薬の減った半分は何処に行ったのだろうか。
誰が、何に使ったのか。
まだ幾つかの謎が残るまま、またあの不似合いな音がスピーカーから流れた。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - blackappleさん» そのまま本家のキャラを持ってくるのもどうかと思ったので、茶番ちゃんにしてみました！体験版なのでストーリーは違いますが、本編もよかったら覗いてみてください！有難うございます！ (2019年8月15日 1時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
blackapple(プロフ) - モノクマさんまさかの茶番ちゃんですか笑すごく好きです！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: a2bedeb8e6 (このIDを非表示/違反報告)
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