捜査中 ページ34
エーミールくんから離れると、私はそのゴミ箱の中身を覗く。
まだ私たちが使っていないため、ゴミも入っていないはずなのだが。
其処には空になった調味料の容器が二つ、捨てられていた。
「…あれ、中身がない」
ゴミ箱から容器二つを取り出すと、容器は綺麗に洗われているようで、元々何が入っていたのかは分からない。
こんなに沢山の調味料、一体誰が使ったんだろうか。
到底、一度に使い切る量とは思えないのだが。
空の容器二つを眺めながらそんなことを考えていると、不意に誰かに肩を叩かれた。
マンちゃんかと思い振り向くと、其処にいたのはマンちゃんではない。
青色のつなぎに紫色のストールという、なんとも目につきやすい寒色系ファッションをしている男子生徒。
兄さんが立っていて、私は驚く。
「兄さん、どうかしたの？」
そう尋ねると兄さんは、壁沿いに設置されたシンクを指差した。
「A、シンク使った？」
「シンク？」
予想外の質問に、私は思わずそう聞き返してしまう。
とは言えミルクティーを飲んだときのカップはそのまま食洗機に入れたし、シンクにはまだ一度も手を付けていない。
何でそんなことを聞いてくるんだろ、なんて思いながら私は「シンクは使ってないけど…何かあった？」と尋ねると。
兄さんは少し考え込むように俯いて黙り込んだ。
「…いや、何でもない」
「？？…」
顔を上げた兄さんは、まだ何処か消化しきれない様子で顔を顰めながらそう言った。
そしてぶつぶつ何やら独り言を呟きながら、厨房を後にする兄さん。
一体何だったんだろうか。
兄さんが出て行った厨房の出入り口をぼうっと眺めていると、レシピ本を読み終わったのであろうマンちゃんが戻ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - blackappleさん» そのまま本家のキャラを持ってくるのもどうかと思ったので、茶番ちゃんにしてみました！体験版なのでストーリーは違いますが、本編もよかったら覗いてみてください！有難うございます！ (2019年8月15日 1時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
blackapple(プロフ) - モノクマさんまさかの茶番ちゃんですか笑すごく好きです！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: a2bedeb8e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
