合わせ鏡としつこい男28 ページ9
「っあ、好きな理由は他にもあんで！？Aちゃんは可愛いし、頭いいし、性格いいし！」
「あと育ち良さそう！」と指を折りながら答えてくれる鬱くん。
…もしかして私、褒め殺される？
「今まで付き合って来た女の子らとはちゃうなって思うし、実際それが心地ええなって」
「あ、ありがと…」
異性で一番仲のいいマンちゃんからも、こんな具体的に褒められたことはない。
相手が鬱くんとは言え、やはり慣れないせいか頬が熱くなるのが分かった。
「さっきも言ったけど、今日はまじラッキーって思ってた。でもAちゃんと居れば居るほど、もっと欲が出てくる」
「…欲？」
そう聞き返すと鬱くんは頷きながら、また私の手を取った。
「…今日一回だけと言わず、これからもずっと一緒にいたい」
「え」
「俺ならゾムさんみたいに金で困らせたりしないし、必ずAちゃんに相応しい男になれると思うから」
何故そこでゾムくんが出て来たのかよく分からないが、怒涛の勢いで距離を詰めて来ようとする鬱くんに頭が混乱する。
今の鬱くんの意思は、合わせ鏡の霊の意思であって。
つまり合わせ鏡の霊は、私の彼氏として鬱くんの体を借りたまま、まだ現世に居座り続けるつもりってこと。
…流石にそれは辛い。
「いや！それは困る！」
「っえ、困る？」
「あ、ちがっ…鬱くんと付き合うなんて、私には勿体ないよ！」
つい本音が溢れそうになって、私は慌てて言い直した。
鬱くんに付き纏われている私としては、今後もそれが続くことを考えると、一秒でも早く成仏してもらわなければならない。
「それに好きとかよく分かんないし、今は誰かと付き合うとか考えてないから…」
「そっか…まあ、無理強いさせる訳にもいかんしな」
「おっけ、分かった」と言うと、徐に鬱くんは立ち上がった。
「俺は、Aちゃんのこれからの長い人生でも一生記憶に残るような男になりたい！」
「は、はあ…」
「だからせめて、キスさせてや！」
そう言って私の肩を掴んだ彼に、思わず「はあ？」と声を漏らす。
キスが何かは知っている。
ただ、私が異性とそんなものをするだなんて、想像もつかないのだ。
まだ小さかった頃、幼馴染のマンちゃんと頬にキスし合ったことはあったけど、それとは意味も違うだろうし。
…そもそも‘‘あの’’マンちゃんを、異性と数えていいのかも怪しい。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 千菜さん» うわぁい！そう言って頂けて何よりです！！！サブなので滅茶苦茶ゆっくり更新申し訳ないです(＞＜)無理はダメですね！でも頑張ります！！！ (2020年1月23日 0時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
千菜 - 凄く面白いです！！これからも応援してます！無理せず頑張ってください！！！ (2020年1月22日 23時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - あめのこさん» 全部見て頂けるなんて！ありがとうございます！！ぼちぼち更新予定です！また読んで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます！！ (2019年12月30日 1時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
あめのこ - 初めから読ませて頂きました！とっても面白かったです！更新楽しみにしてます (2019年12月29日 20時) (レス) id: 4131672505 (このIDを非表示/違反報告)
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