青春とは限らない放課後30 ページ42
私たちは校舎を一周分走り切った。
花子さんは私たちと一定距離を保ったままついてきている。
「…そろそろシマタロウのとこ行こか」
「そうだね…っ」
花子さんが見えていないゾムくんは「アイツ、ついて来てるか？」と私に確認して来た。
頷くと、彼はこれまでの進行方向を変え、コネシマくんが待つ空き教室へと走り出す。
『ドコへ逃げても同じよ、さっさとコネくんの居場所を…』
そう怒りを隠せない様子で私たちに言い掛けた花子さんは、ピタッと動きを止める。
丁度コネシマくんが待っている空き教室が見えてきた辺りだ。
どうやら空き教室に近付いたことによって、私に隠れていたコネシマくんの存在を見つけたらしい。
『コネくん、やっと見つけた……』
花子さんは呟くようにそう言うと、一気にスピードを上げて私たちに迫って来た。
見えていないゾムくんは当然気付いていないようで、私は慌てて隣を走る彼の頭を押さえ込む。
二人で廊下に倒れ込んだ瞬間、花子さんが頭上を通り過ぎて空き教室に入っていった。
「いって、鼻ぶつけた…」
「っえ！ご、ごめん…でも、花子さんがコネシマくんのところにっ！」
無防備なまま倒れ込んでしまったせいで床に鼻からぶつかってしまったゾムくんは、赤くなった鼻を手で押さえた。
しかし私の言葉に、すぐに立ち上がると花子さんを追いかけるように空き教室へ向かう。
私も慌ててゾムくんを追いかけた。
空き教室を覗くゾムくんに追いつくと、私は顔を顰めて鼻を押さえる彼にハンカチを手渡す。
受け取ったゾムくんがハンカチで鼻を押さえ直したと同時に、コネシマくんの声が響いた。
「花子ォ！！」
『っ！』
コネシマくんの大きな声に、花子さんは驚いたように立ち止まる。
「お前が俺を殺すつもりなのは分かっとる！！」
『…だったら、』
「でも、俺はまだ死ぬつもりないからな！！」
続けたコネシマくんの言葉に、花子さんの顔が少しだけ歪むのが分かった。
下手したらその一言で、花子さんは容赦なく彼を殺してしまう。
そんな不安もあったが、花子さんは大人しくコネシマくんの話を聞くようだ。
「お前のためにも、俺はまだ死ぬわけにはいかない」
『……ワタシのため？』
「少なくとも俺は、お前のこと‘‘友達’’だと思ってるし」
『エっ』
私たちを追いかけて来ていた時とは打って変わり、目を丸くした花子さん。
コネシマくんはそんな花子さんの様子にも気付かないまま話を続けた。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 千菜さん» うわぁい！そう言って頂けて何よりです！！！サブなので滅茶苦茶ゆっくり更新申し訳ないです(＞＜)無理はダメですね！でも頑張ります！！！ (2020年1月23日 0時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
千菜 - 凄く面白いです！！これからも応援してます！無理せず頑張ってください！！！ (2020年1月22日 23時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - あめのこさん» 全部見て頂けるなんて！ありがとうございます！！ぼちぼち更新予定です！また読んで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます！！ (2019年12月30日 1時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
あめのこ - 初めから読ませて頂きました！とっても面白かったです！更新楽しみにしてます (2019年12月29日 20時) (レス) id: 4131672505 (このIDを非表示/違反報告)
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