青春とは限らない放課後27 ページ39
「ズバリ花子の未練は、お前や」
そう言いながら、ゾムくんはコネシマくんを指差した。
コネシマくんは困ったように「っえ、オレ？」と、同じく自身を指差す。
「正確に言うと、花子は‘‘自分と同じ境遇の人間’’に執着しとる」
「どういうこと…？」
自身と同じ境遇の人間に執着することが、どう未練に繋がるのか。
ゾムくんの言い方では関連性を見出せない私は、首を傾げた。
「花子の目的は、‘‘友達’’とあの世へ行くことや。一人でこの世を去りきれない霊が、自分と似たような境遇の人間を道連れにするなんて話は珍しくないし」
「道連れ…」
「………」
平然と言ってのけるゾムくんの言葉を、私は思わず繰り返す。
すると明らかに隣のコネシマくんの顔が強張り、青ざめていくのが分かった。
生命力を吸うだけでなく、あの世まで道連れにしようとしていたことが分かったのだ。
あの世がどんなところかなんて見たこともないが、そんなこと言われたら怖いに決まってる。
「そう考えると、花子がシマタロウの生命力を吸っとったのにも納得がいく」
「…元からコネシマくんを道連れにするつもりで、声を掛けたってことだよね？」
私も悪霊に取り憑かれていたから、今コネシマくんが抱いている恐怖心も理解できる。
隣に座る彼の顔をもう一度見ると、まだ顔を強張らせたままだ。
「花子は、その‘‘未練’’ってのがなくなるまで成仏でけへんのやろ…？」
「勿論。シマタロウが大人しく道連れになってくれれば、全てが解決するけど」
「っへ！？」
コネシマくんの問いに、ゾムくんはそう答える。
私は驚いて立ち上がりそうになり、自分の声の大きさに気が付いて慌てて息を潜めた。
「まさかっ、コネシマくんを犠牲にするつもりじゃないよね…！？」
「できるんならするよ。でもAちゃんは、コイツに死なれたら困るんやろ？」
そう言いながら、ゾムくんは親指でコネシマくんを指差した。
当然だと頷いて返すと、彼は「じゃあ別の方法を考えるしかないな」と呆気なく諦める。
ゾムくんの口振りからして、元々コネシマくんを花子さんに引き渡すつもりはなかったようだ。
私はほっと安堵の息を漏らす。
「俺が花子と一緒に死ぬ以外に、花子を成仏させる方法があるんか…？」
「アイツの全部が分かってる訳じゃないし、一か八かになるけど」
「それでもええやろ？」と有無を言わせない態度で、改めて尋ねるゾムくん。
少しでも生き残る確率が上がるならと、コネシマくんは頷いた。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 千菜さん» うわぁい！そう言って頂けて何よりです！！！サブなので滅茶苦茶ゆっくり更新申し訳ないです(＞＜)無理はダメですね！でも頑張ります！！！ (2020年1月23日 0時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
千菜 - 凄く面白いです！！これからも応援してます！無理せず頑張ってください！！！ (2020年1月22日 23時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - あめのこさん» 全部見て頂けるなんて！ありがとうございます！！ぼちぼち更新予定です！また読んで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます！！ (2019年12月30日 1時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
あめのこ - 初めから読ませて頂きました！とっても面白かったです！更新楽しみにしてます (2019年12月29日 20時) (レス) id: 4131672505 (このIDを非表示/違反報告)
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