青春とは限らない放課後19 ページ31
「そこで俺は、ある仮説を立てる」
「どんな？」
「シマタロウを呼び出した人物と、空き教室の花子が‘‘同一人物’’って仮説」
指で二人の人物を数えながら答えたゾムくんに、私は開いた口が塞がらなくなる。
「ど、同一人物？」と動揺しながら聞き返すと、ゾムくんは深く頷いた。
「ただの仮説に過ぎんが、そう考えると一つ謎が解決する」
「なぞ？」
「シマタロウが突然体調不良になった謎や」
そう言われ、私はコネシマくんのことを思い出す。
確かに昨日から急に窶れ始めて、今日は倒れるまでに体調が急変した。
まさかそれが、空き教室の花子さんのせいだとでも言うのだろうか。
「七不思議の花子さんなんて言うけど、所詮アイツらも霊体や。霊によっては、人に取り憑いて生命力を吸う奴も居る」
「もしかして、花子さんも…？」
恐る恐る尋ねると頷いたゾムくんに、私は寒気に襲われた。
ただの七不思議だと思ってついて来たが、よく考えると彼らも霊である。
必ずしもいい霊とは限らないし、どんなことをされるか分からない。
「花子は多分、シマタロウに取り憑いて生命力を吸ってたんや。生命力を吸われ続けてたなら、体調不良で倒れても当然やな」
「じゃあ、早く除霊しないとコネシマくんがっ…」
「まあ七不思議は基本悪霊じゃないから、さっさと成仏してもらえばシマタロウの容体も回復すると思うけど」
しかしこれで、何故ゾムくんが私と二人だけで話したかったのかも分かった。
コネシマくんに突然こんな話をしても、彼は信じないだろうし、混乱させてしまうだけだ。
変に不信感を抱かせる訳にもいかないし、ゾムくんなりに気を遣ったのだろう。
「……ところで一つ気になったんだけど、何で霊感のないコネシマくんが花子さんと会話できたの？」
ふと気になり、コネシマくんの元へ戻ろうとしたゾムくんを引き止めた。
するとゾムくんは「あー…」と声を漏らしながら、腕を組む。
「それに関しては、俺もよく分からん。そもそも噂だけで、本物の七不思議なんて初めてやし」
「そっか…」
ゾムくんも、除霊師見習いと言うだけで万能ではない。
彼に全て聞いても、教科書のように完璧な答えが返って来るわけでもないし。
「…ただ、七不思議って他とは違う特別なもんだと思う」
「特別なもの？」
「七不思議は、他の霊と違って‘‘一般人でも認識できる’’。何か特別な力があるんじゃないかって、親は言うてた」
ゾムくんはそう言いながら、深くフードを被り直した。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 千菜さん» うわぁい！そう言って頂けて何よりです！！！サブなので滅茶苦茶ゆっくり更新申し訳ないです(＞＜)無理はダメですね！でも頑張ります！！！ (2020年1月23日 0時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
千菜 - 凄く面白いです！！これからも応援してます！無理せず頑張ってください！！！ (2020年1月22日 23時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - あめのこさん» 全部見て頂けるなんて！ありがとうございます！！ぼちぼち更新予定です！また読んで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます！！ (2019年12月30日 1時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
あめのこ - 初めから読ませて頂きました！とっても面白かったです！更新楽しみにしてます (2019年12月29日 20時) (レス) id: 4131672505 (このIDを非表示/違反報告)
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