合わせ鏡としつこい男23 ページ4
「俺は別にええけど、Aちゃんは髪とか崩れるの大丈夫？」
そう言いながら、鬱くんは最後の一口を口の中に放った。
まさかそんなことを気に掛けてくれるとは思ってもみなかった私は、ついきょとんとしてしまう。
「髪？」
「女の子って、セットするのにも時間かかるやろ？」
「………」
今まで付き合って来た女の子が、やはりそういう子ばかりだったのだろうか。
生憎、幼少期から髪型なんて一切変わらない私は、そんなことを気にしたこともなかった。
…高校生にもなって、まだ三つ編みなのかと親にも言われたことがある。
周りの女の子は皆お揃いで、前髪の寝癖を整えるのにも時間がかかるらしいが。
「私は大丈夫、髪の毛に時間かけたこととかないし。髪が崩れるくらい気にしないから」
「そっか、ならええねんけど」
「食べ終わったら乗りに行こか」と言う彼に、私は慌てて最後の一口を頬張る。
立ち上がった鬱くんについて行き、私たちはバイキングの方へ歩き出した。
「はあー、アレ動き激しいな…」
「うん…思ったより長かったね」
乗り終えた私たちは、想像以上にグロッキー状態だった。
かなり揺らされて酔った上に、直前に食べたクレープを口から出してしまいそうになったからだ。
乗っている間、私たちはただ夢中でお互いの腕を掴み合っていた。
ゾムくんの言う通りある意味距離は縮まったのだろうが、当のゾムくんは今頃私たちの様子を見て笑っていることだろう。
「次、何乗る？」
「次は動きが少ない方が楽だよね」
そんな会話をしながら遊園地のマップを眺めていると、ポケットの中からL○NEの通知音がした。
「これええかもな」とマップを指差す鬱くんを横目に、私はL○NEを開いた。
するとそこには「ジェットコースター一択」という一文と、可愛らしいキャラクターがグッドサインをするスタンプが送られてきた。
「…………」
流石にジェットコースターはないだろう。
ゾムくん、私たちの話聞いてた？
そういう目で、彼がいるであろうゴミ箱の方を見ると、続けてL○NEが送られてくる。
追い討ちをかけるような「俺は除霊せんでもええんやで？」の一言。
「…鬱くん、私ジェットコースター乗りたいなー」
「っえ、でもさっき、」
「人気で待ち時間も長そうだから、早いうちに並んでおいた方がいいと思って」
私の急な要望にも「んー、まあいいけど」の二言で応えてくれる鬱くん。
心の中で彼に謝りながら、私たちはジェットコースターの列へと向かった。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 千菜さん» うわぁい！そう言って頂けて何よりです！！！サブなので滅茶苦茶ゆっくり更新申し訳ないです(＞＜)無理はダメですね！でも頑張ります！！！ (2020年1月23日 0時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
千菜 - 凄く面白いです！！これからも応援してます！無理せず頑張ってください！！！ (2020年1月22日 23時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - あめのこさん» 全部見て頂けるなんて！ありがとうございます！！ぼちぼち更新予定です！また読んで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます！！ (2019年12月30日 1時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
あめのこ - 初めから読ませて頂きました！とっても面白かったです！更新楽しみにしてます (2019年12月29日 20時) (レス) id: 4131672505 (このIDを非表示/違反報告)
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