合わせ鏡としつこい男22 ページ3
「HQ、もう帰っていいですか？」
「だめです」
鬱くんがクレープを買いに言った隙に、私はゾムくんに電話をかけた。
しかし案の定の返答に、私は顔を顰める。
「お化け屋敷に本物の霊がいる遊園地なんて、長居したくないです」
「任せとけよ、俺が除霊したるからな」
「見えないのに？」
すると電話の向こうの彼は黙り込んでしまった。
まあゾムくん曰く(あんな血塗れでも)悪霊ではないらしいし、心配することはないだろうが。
「そや、次はバイキング乗ったら？」
「バイキング？何で？」
そう聞き返すと、ゾムくんは電話の向こう側で「え？だって、」と小さな声で続ける。
「ビビり散らしてるAちゃんとか見てみたい…」
「…は？」
「ああっ、いや！絶叫系で吊り橋効果みたいな！？距離とか縮まりそうちゃう！？」
「……」
…恐らくゾムくん的には前者が本音なのだろう。
私は呆れて、声も出なかった。
「っとにかく、除霊するなら俺の指示に従ってもらうから」
「はあ…」
「こちとら除霊師様やぞ、見習いやけど」
そう言ってドヤ顔を浮かべているであろうゾムくんに適当に相槌を打っていると、通話が切られた。
鬱くんの中にいる合わせ鏡の霊を除霊するためなら、これも仕方のないことだ。
自分にそう言い聞かせると、通話が切れた携帯をポケットの中に戻す。
「Aちゃん、苺バナナで合うてる？」
「うん、ありがと」
私の注文通り、苺バナナのクレープを買って来てくれた鬱くんからクレープを受け取ると、彼は私の隣に座った。
よく見ると、私のクレープと彼のクレープは少し違うようだ。
「…鬱くんのは、何にしたの？」
「俺？俺のは普通のチョコアイス」
「一口いる？」と差し出されたが、流石に付き合っているわけでもないしと断った。
いっぱいのクリームを溢しそうになりながらクレープを食べていると、鬱くんはクレープを咥えたまま包装紙を側のゴミ箱へ投げる。
しかしゴミ箱の縁に当たり、入らなかったそれを、鬱くんは「あちゃー」と声を漏らしながら拾いに行った。
「…次は、バイキングに乗らない？」
「っえ？バイキング？」
突然そんなことを言い出した私に、鬱くんはバイキングの方を見た。
乗っている大の大人たちが、揺られながら悲鳴を上げているのが聞こえてくる。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 千菜さん» うわぁい！そう言って頂けて何よりです！！！サブなので滅茶苦茶ゆっくり更新申し訳ないです(＞＜)無理はダメですね！でも頑張ります！！！ (2020年1月23日 0時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
千菜 - 凄く面白いです！！これからも応援してます！無理せず頑張ってください！！！ (2020年1月22日 23時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - あめのこさん» 全部見て頂けるなんて！ありがとうございます！！ぼちぼち更新予定です！また読んで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます！！ (2019年12月30日 1時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
あめのこ - 初めから読ませて頂きました！とっても面白かったです！更新楽しみにしてます (2019年12月29日 20時) (レス) id: 4131672505 (このIDを非表示/違反報告)
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