合わせ鏡としつこい男21 ページ2
どうやら、このお化け屋敷は廃病院を舞台にしているらしい。
知らないおじさんが廃病院について語る映像を暫く見た後、扉が開いた。
エアコンが効いているのか、ひんやりとした空気が流れてくる。
これが真夏ならどんなによかっただろうか。
「行こ、Aちゃん」
「………」
鬱くんは全く怖気づく様子なく、私を引きずって歩き出した。
もしかして、本物の霊に人格を半分乗っ取られてるから平気なのかな。
道順が複雑で、同じフロアを行ったり来たりしていると時間がかかる。
お化け屋敷とは言え子供向けだからか、ただ音を立てて脅かしてくるものや、見た目で怖がらせてくるものばかりで、あまり恐怖心は感じない。
「……よかった、あんまり怖くないね」
「っえ、まじ？」
暗いお化け屋敷の中を鬱くんと歩きながら、そんな話をする。
てっきり襲い掛かってくるものかと思っていたが、当然蝋人形はそこから動かない。
私がここまで平気なのは、ついこの間まで集合体の霊に付き纏われ、殺されかけていたからだろう。
あまりの拍子抜けに、鼻歌さえ歌えそうなほど余裕を取り戻した私は、丁度角を曲がった。
その瞬間、
『ウウッ…アタマが…っ』
「………………」
目の前には、頭から血を流した男の人が立っていた。
ふらふらと此方へ歩み寄って来ようとする彼に、私の背筋が凍った。
「きゃあああああッ！！！！！」
「エッ、ちょっ、Aちゃ」
時間差で、私の叫び声がお化け屋敷中に響く。
私は鬱くんの腕を引くと、壁と血塗れの男の間をすり抜け、慌てて出口へ向かった。
出口はすぐそこだったようで、突然飛び出してきた私たちに、出口付近に立っていた親子は驚いたような顔をする。
「Aちゃん、急に走り出してどうしたん？」
「だ、だって…血塗れの男の人が…」
「血塗れ？」
「そんな人形おった？」と鬱くんは出口からお化け屋敷の方を覗く。
…もしかして、鬱くんには見えてない？
それって、
そこまで考えて、私は血の気が引いた。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 千菜さん» うわぁい！そう言って頂けて何よりです！！！サブなので滅茶苦茶ゆっくり更新申し訳ないです(＞＜)無理はダメですね！でも頑張ります！！！ (2020年1月23日 0時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
千菜 - 凄く面白いです！！これからも応援してます！無理せず頑張ってください！！！ (2020年1月22日 23時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - あめのこさん» 全部見て頂けるなんて！ありがとうございます！！ぼちぼち更新予定です！また読んで頂けるよう頑張ります！ありがとうございます！！ (2019年12月30日 1時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
あめのこ - 初めから読ませて頂きました！とっても面白かったです！更新楽しみにしてます (2019年12月29日 20時) (レス) id: 4131672505 (このIDを非表示/違反報告)
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