CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う 捜査 ページ9
11日目
茶番ちゃんが俺の部屋に話をしにきた。
やつの話では、どうやら俺たちは14人揃いも揃って記憶喪失らしい。
嘘みたいな話だったが、この状況が変わらない学園生活を目の当たりにして俺は信じるしかなかった。
茶番ちゃんは俺に、記憶の一部を強制的に思い出す方法を教えてくれた。
とにかく‘‘外傷を負う’’といいらしい。
メカニズムは分からなかったが、試しにナイフで小指の腹に切り傷をつけてみた。
俺は、分厚いレンズのメガネをかけた癖毛の男のことを思い出した。
先輩ではないのか、俺とタメで親しく話していたソイツのことを、なぜ今まで忘れていたんだろうか。
しかし、肝心の名前が思い出せない。
その男といつ、どこで知り合ったのかも。
……もう少し外傷を負えば、もっと詳しく思い出せるのかもしれない。
──────
13日目
Aさんがゾムさんに刺され、超高校級の掃除屋兄さんがロボロさんに殺された。
俺は、動機の薬を投与されて部屋に隔離したゾムさんの監視を任されていた。
でも強力な鎮静剤を打たれてたし、起きることなんてそうそうない。
そんなことより俺は、先日思い出したメガネの男の正体が気になって仕方がなかった。
外傷の程度によって、思い出される記憶の鮮明さも変わってくると仮説を立てていた俺は、ゾムさんのナイフを借りて小指を切り落とすことにした。
案の定、前よりはっきりと思い出すことができた。
あのメガネの男が‘‘チーノ’’という名前で呼ばれ、俺と同じ中学生にして「超高校級」の称号を得たこと。
この学園でチーノを含めた14人と、しばらく平穏な学園生活を過ごしていたこと。
…ひとまず小指の切断は、動機の薬と鎮痛剤のおかげで記憶が曖昧なゾムさんの仕業ってことにできた。
裁判の後は五階につながる階段が開通した。
どうやらAさんはチーノのことや、この学園で過ごした期間の記憶を一部保有しているらしい。
ゾムさんに腹部を刺されていたから、当然といえば当然なのだが。
何が発端で内通者ってことがバレるか分からないし、俺に記憶があることはしばらく黙っていようと思う。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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