CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う 捜査 ページ43
「学級裁判と言っても、犯人を見つけるための裁判じゃない。私たち三人でここから出るための裁判だよ」
「そんな裁判勝手にしてええの……？」
エーミールくんの質問に私は「分かんない」と答える。
茶番ちゃんはゾムくんによって壊れてしまったし、学級裁判を開くための死体が見つかったわけでもない。
最後の二人になるまで終わらないというルールすら存在している。
上手く行く確証もなんてものは全くと言っていいほどないのだが、あの硬くて頑丈な玄関扉を壊して出て行くよりよっぽど可能性がある。
学級裁判なら、管理者と呼ばれる‘‘全ての黒幕’’を裁判の場に引きずり出すことだって出来るかもしれないのだ。
「分からないけど、すべてを終わらせるには裁判が一番の方法だと思う。地下に続くエレベーターだってまだあるはずだし、試せるならやるしかないでしょ」
同意を求めるように、後ろをついて歩く二人の方を振り向いた。
目が合うと、ゾムくんとエーミールくんは少しだけ考えるような素振りを見せたあと静かに頷いてくれた。
「……せやな。当たって砕けろって言うし」
「いや、砕けたらあかんやろ」
すかさず正論で殴ってしまったエーミールくんに、ゾムくんは「うるさいな」と眉を顰めつつ続ける。
「大人しく待ってても助けが来るとは思えんし、じっと死ぬのを待つよりマシや。俺はAちゃんに従うで」
そう答えたゾムくんは「お前は？」と意見を求めるようにエーミールくんに目を向けた。
エーミールくんは順番にゾムくんと私に視線を送り返す。
「……俺は、貴方たちに生かされたようなものやから。もちろんお二人の意向に従います」
「ありがとう、エーミールくん」
黒幕の正体は未だに掴めていないが、ここまで共に乗り越えてきた二人と一緒なら心強い。
私たちは静まり返った廊下を歩き、茶番ちゃんとゾムくんの戦いで瓦礫の山となった玄関ホールに辿り着く。
グルちゃんとショッピくんの裁判を終えて出たばかりのエレベーターに再度乗り込むと、エレベーターは私たちの背中を押すようにガタンと音を立てて地下に降り始めた。
裁判場までは問題なく向かうことができそうだ。
あとは裁判が開けるかどうか、茶番ちゃんの後ろにいる黒幕を引きずり出せるかどうかが焦点である。
動き出したエレベーターの中、もう後戻りはできない。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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