CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う 捜査 ページ41
「あんなの相手に腕一本で済んだんやから、むしろ上出来や。二人を巻き込まんで正解やったな」
「二人共俺より弱いし」と余計な一言を添えたゾムくんに、エーミールくんが「そんなハッキリ言わんでも！」と言い返す。
きっとゾムくんなりに場を和ませようとしてくれたのだろう。
エーミールくんの反応に笑い飛ばす彼を見ていると、ゾムくんへの罪悪感に支配されていた私の心もいくらか救われた。
「……それに、お陰で‘‘思い出せた’’」
口角を上げたゾムくんの言葉に、私とエーミールくんは顔を見合わせた。
「思い出せた」とは、当然外傷を負った際に思い出す記憶のことだ。
私たちは先程隠し部屋で、ゾムくんと同じく右腕を失ったシャオロンくんの映像を見たことを思い浮かべる。
ゾムくんも彼と同じように、黒幕の可能性がある‘‘管理者’’について何か思い出したのかもしれないと身を乗り出した。
「も、もしかして管理者のことか……！？」
「管理者？」
エーミールくんがゾムくんの左肩を掴みながら尋ねると、ゾムくんはその言葉にピンと来ていない様子で首を傾げた。
どうやら彼が思い出したのは‘‘管理者’’についてではないようだ。
「……ごめん。多分二人が期待してるようなもんとはちゃうねんけど」
「こっちこそごめんね。いいよ、話を続けて」
つい先走ってしまったことを反省しつつ話すよう促す。
エーミールくんも掴んでいたゾムくんの左肩をそっと手放し、同様に謝罪を口にした。
「それで、思い出したっていうのは……？」
「俺が逮捕された時のことやね」
平然と答えたゾムくんに、私とエーミールくんは声を揃えて「逮捕！？」と驚く。
ゾムくんは超高校級の通り魔だ。
実際に人を何人も刺したことがあるようだし、警察に目を付けられるような才能であることには間違いない。
しかし彼に逮捕歴があるなんて話は今の今まで一度も聞いたことがなかった。
「なんでこんな大事なこと忘れてたんやろ。大量の警察官に囲まれて、拘束される時に腕まで折られたってのに」
ゾムくんは「病院送りにされて、丁度今みたいな感じで腕固定されてな」と続けて笑った。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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