CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う 捜査 ページ5
何回か角を曲がると、全員分の個室の扉が並ぶ廊下へたどり着いた。
当然、来た道を振り向いてもゾムくんたちの姿は見えない。
「……大丈夫かな、ゾムくん…」
思わず呟いた私に、エーミールくんは掴んでいた私の腕から手を離した。
「心配いらんよ、ゾムさんは強いし。両腕がないDX相手なら大丈夫やろ」
「…そうだね」
それよりショッピくんの部屋を確認するのが先だと、彼は手前から二番目の扉に手をかける。
鍵が掛かっていないか心配だったが、ドアノブをひねると扉は簡単に開いた。
「入って」と言われ、私を先頭に並んでショッピくんの部屋へ入る。
そこには、つい昨日お邪魔したときと何も変わらない整頓された部屋が広がっていた。
今朝までショッピくんが使っていたらしいベッドは、シーツに少しシワを作っている。
「えーっと……それで、ショッピくんは何て言ってたっけ？」
「私は‘‘部屋に行ってみて’’としか言われてないんだけど…」
問いにそう返すと、エーミールくんは困ったように頭をかきながら、ベッドの隅に腰掛ける。
「はあ」と溜息をつくエーミールくんにつられて、私も溜息をこぼしそうになった。
私たちがそんな反応をしてしまうのも、当然といえば当然だ。
「部屋に行ってみて」と言われたのだから、その答えは部屋に入ってすぐ分かるものだとばかり思っていた。
しかし変哲もない一室しかなく、既に亡くなっているショッピくんの真意が全く分かっていないのだから。
「もしかしたら、机に何かあるのかも」
そう言いながら、私は試しにショッピくんの机の引き出しを開ける。
エーミールくんは立ち上がって「何かあります？」と私の肩の間から身を乗り出す。
「んっと、シャーペンと消しゴム…あと初心者セット」
「なんや、大したもんないな」
答えながら取り出したものを机に並べていく。
引き出しの中までしっかり覗き込んだが、めぼしいものは特に何も入っていない。
「あ、本棚は？」
「見たところ、旅行雑誌とか観光パンフレットしかないようやけど…」
「全部本棚から出してみようよ」
本棚の奥に何か隠してる、なんてこともあるかもしれない。
そう思い提案すると、エーミールくんは張り切ったように「よぅしっ」と袖をまくり上げた。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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