CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う 捜査 ページ38
「ゾムくん！」
「ゾムさん！」
エーミールくんと二人で彼の名前を呼びながら、邪魔な瓦礫を押し退けてゾムくんの元へ向かう。
ピクリとも動かない背中に嫌な想像が頭をよぎったが、近づくにつれてゾムくんの項垂れたような肩が大きく上下していることに気が付き、彼は間違いなく生きているのだと安堵した。
よく見ると、DXの操縦席にはすっぱりと首から上が切り落とされて無くなった天使の人形が座っている。
操縦主が戦闘不能となったことで、必然的にDXの動きも止まったようだ。
「無事でよかった！ゾムさんなら大丈夫だって信じてましたよ」
「ゾムくんが茶番ちゃんの気を引いてくれたお陰で、私たちも結構調べられ──」
照明の残骸を跨ぎながらようやくゾムくんの側まで辿り着いた私は、すぐそこまで出かかっていた言葉を詰まらせた。
先程は遠目で気が付かなかったが、彼の背中に触れられるほど近づくとその惨状に嫌でも気付く。
座り込んだゾムくんの周りには、なぜか赤いどろりとした液体が広がり、水溜りを作っている。
彼の利き手であり、行動を別にする前はサバイバルナイフが握られていたはずの右手はどこにも見当たらず、代わりに中途半端に肘あたりから途切れた右腕が見えた。
左腕とは明らかに不揃いな長さの右腕には、違和感を覚えざるを得ない。
後ろからでも分かるその異様な姿に、血の気が引き全身がヒヤリと冷たくなっていくのを感じながら、ゾムくんの姿をよく確認しようと恐る恐る彼の前にまわる。
私と同じく、反応のないゾムくんの顔を覗き込もうと移動したエーミールくんは、正面から彼の姿を見て悲鳴を上げそうになった口を手で覆った。
──血溜まりの真ん中で力なく座り込んだゾムくんの膝には、持ち主と繋がっていない右手が落ちていた。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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