CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う ページ4
「…てか、無抵抗な二人狙うとか卑怯すぎ。そんなに殺したいなら俺のこと殺したらいいやん」
「えっ？？」
たった今「三人じゃなきゃ意味がない」と発言したばかりのゾムくんの言葉に、私は思わず声を漏らした。
しかし「何言ってるの？」と話に割って入ろうとした私を止めるように、エーミールくんに口を塞がれる。
殺人に飢えた茶番ちゃんの方は、目を爛々とさせていた。
『……ゾムナラ、殺シテモイイッテコト？』
「その両手でできるもんならやってみろよ」
切断されて使い物にならないDXの腕を指差しながらゾムくんは口角を上げる。
腕が使えないDXと天使のぬいぐるみ相手なら勝機があると判断したのだろう。
『ンフフ、イイネェ！ゾムノコト、一度デイイカラ殺シテミタカッタンダヨネ！！』
「殺シガイアリソウ」と茶番ちゃんは頬を赤らめながら小さな手を揉んだ。
ゾムくんは茶番ちゃんから距離を取るように一歩下がると、エーミールくんに耳打ちする。
「エミさん。俺がアイツ引きつけとくから、その間に二人でショッピくんの部屋行ってきて」
「…了解」
エーミールくんは「行こう、Aさん」と私の腕を引いて立ち上がる。
無抵抗な私の体はされるがままに連れて行かれ、気が付くとゾムくんの背中が遠くなっていた。
─────
『アレェ？二人共、ゾムノコト置イテ行ッチャッタ…』
俺の指示通り走っていったエーミールとAちゃんを見て、茶番ちゃんは目を丸くする。
『モシカシテ、二人ヲ逃シテ囮ニデモナルツモリ？』
そう尋ねてくる人形に、俺は「もちろん、そのつもり」と頷いて返した。
DXの両腕はもう使い物にならないし、あとは茶番ちゃん本体を壊してしまえば大丈夫、……なはず。
どうやって距離を詰めようかと考えていると、茶番ちゃんは肩を揺らしながら「馬鹿ダネ」と笑う。
『瞬殺シテヤルヨ、コノ手デ』
「は…？DXの手はもう使い物にならな、」
俺がそう言いかけたところで、オイルが垂れるDXの両腕の切断面が突然動き出した。
メキッと痛々しい音を立てたかと思えば、
………生えてきたのだ、先程斬り落としたはずの両腕が。
手の形をしていたはずのアームの先端は、見覚えのあるナイフの形をしている。
『ゾムノガ羨マシクテ、真似シチャッタ！』
そう言って茶番ちゃんは、俺の手元のナイフより何倍も大きいナイフ二本を振り回した。
再生どころか、進化した腕に俺は一人で顔を引きつらせる。
「…直せるとか聞いてないんすけど……」
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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