CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う 捜査 ページ30
「…ところで、この画面どうやって開いたの？」
気になって何気なく尋ねると、エーミールくんは途端に申し訳なさそうな顔をした。
「設定ってとこを触ってて…‘‘茶番ちゃん’’って欄があったから、その辺を適当に触ってたら辿り着いて……」
「…………」
つまり先程の秘蔵フォルダと同様、本人も何を触ってどうしてこうなったのか、よく分かっていないのだろう。
別に怒っているつもりはなかったのだが、思わず目を細める私を見て、エーミールくんは咄嗟に「ごめん」と眉尻を下げた。
ハッカーという才能を持つロボロくんなら、きっと何の問題もなく説明してくれるのだろうが、彼と違ってエーミールくんは完全に素人なのだ。
むしろ私は、分からないながらもこの画面に辿り着くことができた彼に感謝するべきである。
「どうする？どっちを押してみる？」
表示されたままの『はい』と『キャンセル』の二択を指差しながら尋ねると、エーミールくんは二択を見上げたまま考える素振りをした。
「…Aさんなら、どっちを選ぶ？」
「私なら『はい』の方かなぁ」
特に悩むことなく答えると、間髪入れず「なんで？」とまた質問を返される。
「全自動から手動に切り替えるってことは、動かす人が居ない茶番ちゃんは動かなくなるってことでしょ？今もまだゾムくんを襲ってるんだとしたら、ゾムくんを助けることにも…」
「オッケー」
エーミールくんは、まだ彼からの質問に答えている私の言葉を遮ってそう言うと、何の迷いもなく『はい』の方を選択した。
ローディング画面へと切り替わったモニターを他所に、私はあまりにも判断が早いエーミールくんを見て呆気に取られる。
…いくらゾムくんを助けるためとは言え、もう少し思案してもよかったと思うのだが。
そんなことを考えながら隣のエーミールくんを横目に、増えていくローディングバーを眺めていると、不意にローディングバーが消え、モニターいっぱいに『エラー』の文字が現れた。
「わ、」
突然現れたエラーの文字に驚いて、私はつい声を漏らしてしまう。
エーミールくんも「え、失敗したん？」と驚きながら、顔を見合わせるように私の方を見た。
その文字の下には小さく『データが一部破損しているため切り替えに失敗しました。データを復元してからもう一度お試しください』と書かれている。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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