CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う 捜査 ページ21
『いってぇ。Aのやつ、話してる途中だってのにマジで撃ちやがった』
いつもの調子で、私に撃たれた左脚の傷を両手で押さえるグルちゃん。
床に倒れた背中しか知らなかった私は、元気そうにぼやいている彼の姿を見て内心ホッとしてしまい、肩の力を抜く。
グルちゃんは楽なように胡座をかくと、「いやぁ」と驚いたような声を漏らしながら顎に手を添えた。
『まさか、Aも‘‘俺と同じ’’だったとは』
……‘‘同じ’’？
画面の中の彼の言葉に、私は思わず眉をひそめる。
グルちゃんの言う「同じ」とは一体どういう意味なのか、つい気になって考え込んでしまう。
銃を持ってたこと？それとも、私の性格の話？
『しかしこれでハッキリしたな。ここに集められた超高校級の14人は、』
彼がそう言い掛けたところで。
続きを遮るように武器庫の重い扉が開き、今度はエーミールくんが入って来た。
モニターに自分が現れ、隣から「あっ」という声が聞こえてくる。
映像の中のグルちゃんも、入って来たエーミールくんの存在に気が付き、顔を上げる。
『おっ、エーミール。良いところに来た、ちょっと保健室まで手貸してくれないか』
『……なに？怪我でもしたん？』
脚を負傷しているため、エーミールくんに立ち上がるのを手伝ってもらおうと両手を広げるグルちゃん。
しかしエーミールくんはそれに応えることなく、突っ立ったままそう尋ねた。
『ああ、実は撃たれて』
『…誰に？』
『Aだよ。アイツ、撃ち逃げしやがった』
『…………』
笑って答えるグルちゃんと対照的に、表情を変えることなくグルちゃんの怪我を見つめるエーミールくん。
するとエーミールくんは隠すように背後へ手を回し、素早く出された手には、私が握っていたのと同じ‘‘初心者セットの拳銃’’が握られていた。
当然、銃口はグルちゃんを捕らえる。
『……何のつもりだ、エーミール』
『…………』
殺意を向けられている。
そう判断したグルちゃんは広げていた手を下げ、驚いた様子で聞き返す。
しかしエーミールくんは何も答えることなく、パンッと発砲した。
銃弾が直撃したグルちゃんは再度倒れ込み、胴体からの出血が床に広がっていく。
この姿だけを見れば、銃弾が心臓に直撃したと勘違いしてもおかしくはない。
モニターの中のエーミールくんが踵を返したと同時に、画面はパッと真っ暗になり、元の動画ファイルが5つ表示された画面に戻った。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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