CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う ページ3
「そうか、二人になった時点で裁判は成立しなくなるから…」
『ソウ！三人マデ減ッタンダシ、素直ニ殺人ガ起コルノヲ待ツノモ馬鹿馬鹿シクナッテキチャッタカラサ』
思い出したようにエーミールくんが言うと、茶番ちゃんはDXの体ごと彼の方に向き直って頷いた。
どうやら最後の犠牲が出るのをじっと待つより、自ら直接手を下した方が早いと気が付いたらしい。
……今までこの学園生活を強要してきた茶番ちゃんが学園生活を終わらせたがるだなんて、どういう風の吹き回しだろうか？
そんな疑問を抱いていると、茶番ちゃんは「ダカラ、誰カニ死ンデホシインダヨネ〜」と私たちを指差す。
ゾムくんは私の前に立ったまま、再度ナイフを構え直した。
『ン〜、Aハ無理ソウダシ……ヨシ、エーミールニスッカ！！』
「え…？」
「ケッテーイ！」と続けると、茶番ちゃんが操作するDXはエーミールくんに向かって、残っている方の腕を振り上げた。
「ッ！！」
「エーミールくんッ、」
エーミールくんは突然のことに反応が遅れ、振り下ろされる腕の速度に体が追いつかない。
私とゾムくんは、慌ててエーミールくんの方へ足を踏み出した。
カキンッ、とゾムくんのナイフとDXのアームが擦れる音と同時に。
私はエーミールくんの体を押し倒し、守るように自身の体で覆い被さる。
「ッ、ざけんな…！」
そう声を上げ、ゾムくんがサバイバルナイフを振るうと、残っていた方の腕も斬り落とされる。
DXの腕は空中で何度か回転した後、床に重々しく落下した。
両腕を斬り落とされたDXは切断面から機械オイルを垂らしながら停止する。
『………ハァ？ナンデ庇ウノ？？誰カ一人ガ死ネバ、残ッタ二人ハ学園ヲ出ラレルンダヨ？』
「出ル気ナイノ？」と首を傾げる茶番ちゃん。
茶番ちゃんの言う通り、ここで誰か一人が犠牲になれば、残る二人は無事にこの学園を出ることができるかもしれないが。
人が目の前で殺されるのをもう見たくないという思いは、三人共同じだ。
「俺らは三人で生きて帰る、誰か一人でも欠けたら意味がない」
「ゾムさん…」
ゾムくんの言葉に、私とエーミールくんは目頭が熱くなった。
私たちと一緒にいて丸くなった、というグルちゃんの言葉にも頷ける。
初めて会ったときの協調性がなさげで勝手な行動ばかりしていた彼とは、まるで別人のようだ。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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