CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う 捜査 ページ20
『…まさか、俺を殺すつもりじゃないだろうな。お前に、人を撃つような度胸なんてない』
グルちゃんは、私を宥めるように語り掛ける。
しかし銃を構えてしまった私は、その言葉に煽られるがまま後戻りできなくなっていた。
『……っ撃てるよ。
『ふぅん…』
声を震わせる私に、グルちゃんは意味深に相槌を打つ。
『じゃあ試しに撃ってみろよ、お前の大切な‘‘仲間’’を救うために』
『…………』
『お前が俺を撃たなきゃ、俺は間違いなくショッピを殺す。そんなにアイツの命が大事なら、殺す気で俺を止められるはずだ』
そう言いながら一歩、私の方へ歩み寄るグルちゃん。
それに合わせて私は一歩後退りながら、トリガーにかけた指を震わせた。
そんな私の様子を見て、グルちゃんは「それ見たことか」とでも言うように鼻で軽く笑って見せる。
『…撃てないんだろ？他人のために、自分の手を汚す勇気がないんだ』
『ッ……』
図星を突かれ、私はあからさまに動揺していた。
そんなことない、私は他とは違う。それをグルちゃんに証明しなきゃ……。
頭の中がそんな言葉ばかりで埋め尽くされ、徐々にグルちゃんの声が遠退いて行ったのをよく覚えている。
『もしAが俺を殺せば、裁判になって、皆の前で処刑される。出会ってたった二週間程度の他人のために、命までかけるなんて…』
グルちゃんがそこまで言い掛けたと同時に、
モニターの中からパンッと乾いた銃声が鳴り響き、思わず肩がビクッと跳ねる。
……私がグルちゃんを撃った瞬間が映っていたのだ。
途端にグルちゃんは膝から崩れ落ち、その場にバタッと倒れ込む。
この映像だけを見れば、誰だって‘‘私がグルちゃんを撃ち殺した’’と勘違いするだろう。
モニターに映る私も、その一人だった。
床に倒れた背中を見て我に返った私は、押し寄せる後悔に怯えながら銃をポケットに隠し、慌てて武器庫を後にしたのだ。
私の足音が遠去かって行きながら、バタンと音を立てて重たい扉が閉じた瞬間。
床に倒れていたグルちゃんの手がピクッと動き、ゆっくりとその体を起こした。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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