CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う ページ2
痛みに襲われる。
そう身構えていた私は、いつまで経っても来ない痛みに不信感を抱いた。
代わりにカキンッという金属音が耳元で響き、私は恐る恐る目を開く。
すると目の前には、茶番ちゃんDXから私を庇うように立つゾムくんの背中があった。
「ぞむ、くん……」
彼が守ってくれたんだろう。
途端に安堵感に包まれ、私はその場で腰が抜ける。
「あ、あっぶなっ」
「ギリギリ間に合った」と冷や汗を流しながら顔を青くするゾムくん。
彼の手には、機械オイルで濡れたサバイバルナイフが握られている。
床に茶番ちゃんDXの斬り落とされた腕が落ちているところを見るに、ゾムくんが咄嗟に間に入ってくれたのだろう。
『ハ？？DXノ腕ガ、ナイフゴトキニ負ケタ……？』
DXに乗って操縦していたらしい茶番ちゃんは、そう言いながら床に転がる腕を見る。
どうやら、関節の金属で覆われていない部分に刃を入れて斬り落としたらしい。
「言うたやん、俺のサバイバルナイフは切れ味いいって」
ゾムくんは軽く血振りの仕草をして見せると、呆気に取られている茶番ちゃんを鼻で笑った。
後ろから「…いや、それにしてもよすぎやろ」とエーミールくんの呟きが聞こえたが、私もその意見に同感である。
いくら切れ味がいいとは言っても、金属でできたDXの腕を斬り落とせるだなんて誰が予想できただろうか。
するとゾムくんは、DXの操縦席に座っている茶番ちゃんを睨みつけた。
「……つか、不意打ちとか卑怯すぎやろ。もし俺が反応できてなかったら、Aちゃん今頃死んでたやん」
「た、たしかに」
もしゾムくんが庇ってくれなくて、あの腕が私に振り下ろされていたかと思うと。
…想像しただけで身震いがする。
しかし全く反省も後悔もしていない様子の茶番ちゃんは、裁判の時より破損している顔を歪ませて言った。
『ン〜、‘‘ソノツモリ’’ダケド？？』
「そのつもりって、Aさんを殺すつもりだったってことですか…？」
殺人を犯したわけでもない私が殺される理由はないはずだ。
エーミールくんが驚いて尋ねると、茶番ちゃんは不気味な笑顔で頷いた。
『別ニ、Aジャナクテモイインダヨ。ガサツニ誰カ一人ブッ殺セバ、コノクソツマンネー学園生活モ終ワルンダカラ！』
「え、学園生活が終わる…？」
思わず聞き返したところで、私は「最後の二人になるまでこの殺し合いは続く」と茶番ちゃんに説明されていたことを思い出す。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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