CHAPTER 06 劣等生はタンポポを根から食う ページ1
広い校舎に、足音はたった三人分だけ。
地下の裁判場から上がってきたエレベーターの稼働音と共に虚しく響いていた。
「……ほんまに三人だけなんやな」
玄関ホールに着くや否や、ゾムくんはそう言いながら頭の後ろで手を組む。
この学園で初めて目が覚めたときは、十四人も超高校級の肩書きを持つ生徒が集められていて驚いたというのに。
「実感わかんな、ショッピくんなんか特に」
そう言って物悲しげに微笑むエーミールくんに、私は「ほんとだね」と返した。
つい数十分前まで普通に会話していた彼が、既にこの世にいないという事実がまったく信じられない。
「今までのことが、全部嘘ならいいのにね」
「…………」
「そこの角に、みんなが‘‘ドッキリ大成功’’って書いてある看板を持って隠れてたら……」
そこまで口に出すと、また涙が溢れ出した。
タラレバなんて考えるだけ無駄だと分かっていても、脳が逃げるように辛い現実をシャットアウトしようとする。
「ご、ごめん！なんかしんみりさせちゃって…」
「えっ…！？い、いやっ、Aさんの言うことも分からんでもないよっ！俺は！！」
黙って私の話を聞く二人の反応が怖くなって、慌てて両目を擦りながら謝ると、エーミールくんは声を裏返した。
それを見ていたゾムくんは「エミさん必死すぎてきしょ」と笑う。
どんな状況下でも相変わらずなゾムくんに、私は涙を拭いながら苦笑いを浮かべた。
『オマエラ、ヤーット出テキタ〜！！』
不意に、そんな声が頭上から響いた。
何事かと私たちが驚いて顔を上げた瞬間、シャンデリアに掴まっていた茶番ちゃんDXが私たち目掛けて降りてくる姿が視界に広がる。
「Aさん、危ないッ！！」
「ッ…！！」
私に向かって腕を振り下ろすDXと同時に、エーミールくんの声が私に危険を知らせた。
しかし突然の出来事に、私の体は石のように固まって動かない。
まずい、殺されるッ…！
脳だけがそう瞬時に判断し、私はぎゅっときつく目を閉じた。
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 海月空麗さん» わわっ、お久しぶりです！コメントありがとうございます！かなり時間が空いての更新になってしまいましたが、長い間お待ち頂き本当にありがとうございます…！！次回から裁判に入りますので完結目指して少しずつ更新していく予定です！ (11月27日 14時) (
レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
海月空麗(プロフ) - 更新ありがとうございます！ついに最後の裁判でしょうか…！？続きがとっても気になります！ここまで壮大なストーリーを文字に起こすのはとても大変かと思いますが、本当にいつまでも待ち続けております！頑張ってください！！ (11月27日 7時) (レス) @page43 id: b999c1cd0b (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - とても続きが気になります、すごく面白いです！更新待ってます (9月4日 0時) (レス) @page42 id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - わたうさ@火星人☆さん» 返信ありがとうございます。創作論破の中でも凄く面白いので是非納得のいく完結を目指してください。小説のレベルも高く、ストーリー構成も良い。こんな創作論破早々ないです。本当に貴方は素晴らしいんです。自分あと50年くらいは待てます。何度も見返すほど大好きです (2023年4月3日 0時) (レス) id: 7eafda20b9 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 紅葉さん» この一ヶ月ほどは再始動に向けて執筆も再開したのですが、何度も過去の話を読み返しながら書いているため以前より筆が遅くなっています。 更新を再開して以降も一話ごとにお待たせしてしまうことも多いと思いますが、完結に向けて着実に書いていこうと思います！ (2023年4月2日 14時) (レス) id: c8d2ef1162 (このIDを非表示/違反報告)
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