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「おい、低級妖怪。貴様近頃太ったか？」
「失礼な爺さんだな、この犬神様は」
そんな会話が私の足元で繰り広げられる中、私は静かに白米を口に運んだ。
確かにジロちゃんの言う通り、最近サイトさんは太ったような気がして。
スルメの袋を制限なしにそのまま与えているからだろうか、ぱっちり一重な目とは対照的なぽっこりお腹が目立って思える。
まあそんなサイトさんも素敵なのだが、いつしかしがない中年サラリーマンのような体になってしまいそうで心配だ。
此れから少しは制限するべきだろう。
「ん、Aなんか今日は静かだな」
「こら、食事中に喋るもんじゃありません」
不意に話し掛けてきた牛くんにお祖母ちゃんはそう言って注意すると、牛くんは「へいへい」なんて特に反省はしてなさそうに私の顔を覗き込んだ。
視界の隅で頬にチキンカツを詰める牛くんがちらついて、私は無視するように視線をそらす。
「あっ、くそ。此奴目そらしやがった」
「やだ、牛くんずっと真顔でこっち見て来るんだもん」
「別に見るのは俺の勝手だろ」
「そんな食い気味で見られても…」
「別に食い気味に見てねぇし」
そんな会話を牛くんとしていると、机の下でまだ腹がどうこう会話をしているジロちゃんを足で蹴ってしまって。
「あ、」なんて声を漏らす間もなく、ジロちゃんは私の足に噛み付いた。
「いッ、たい！！」
思わず声を上げ、ジロちゃんを引き離そうとほぼ反射で上げた足は食卓に激突してしまい、食器が跳ねる。
陶器が割れることはなかったものの、ガシャンなんて痛々しい音がして被害は広がる。
生憎お祖父ちゃんは味噌汁を溢してしまったらしく、今にも怒り出しそうなお祖父ちゃんから逃げるように私は食卓の下に潜った。
「じ、ジロちゃん！蹴ったのは悪かったけど、流石に噛むことはないでしょ！」
「安心しろ、甘噛みだ。我は善良が故、虫けら程度に弱き人間に本気噛みはせん」
お母さんがメロメロになるくらいには可愛らしい見た目をしている割に言うことは言う。
妖力量でが、私以外にはジロちゃんの声が聞こえていないのをいい事に散々その顔で私を罵るのだ。
一晩泊めてもらっている身の割には文句が多い。
「此れだから犬は外に出せと言ったんだ」
「…ご、ごめんなさ〜い」
私は御立腹な様子のお祖父ちゃんから逃げるように、未だ文句垂れるジロちゃんとサイトさんを連れて部屋を後にした。
続く (更新停止中)
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わたうさ@火星人☆(プロフ) - 773さん» 此方こそ丁寧にありがとうございます！そう言って頂けると幸いです！ただ拙い過去作が多いので、少し恥ずかしいですね(´ｰ｀) (2020年2月1日 11時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
773 - ご丁寧に返信ありがとうございます！作者様のセンスがとても好きなので、他の作品も拝見させて頂きますね^^ (2020年2月1日 2時) (レス) id: 05e1d06f85 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 773さん» コメントありがとうございます！今は更新予定ありませんが、作品を削除するつもりはないので気長に待って頂けると幸いです！ありがとうございます！ (2020年1月31日 9時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
773 - 三年前の投稿に申し訳ないのですが、更新を心待ちしています！ (2020年1月30日 6時) (レス) id: 05e1d06f85 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 柑橘みかんさん» 本当ですか！こんな作品に時間を使って頂き有難う御座います！たまにしか更新はしていませんが、頑張ります！！ (2018年1月24日 6時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
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