【実況者】黄色い糸。４【レトルト】

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でも、何やかんやで結構待ってるだけって暇。


数回テレビのチャンネルを変えたが、面白い番組も余り無く、あっても直ぐCMになってしまう。



適当に自分のスマホを点けるが、今いじれる様なアプリも無く、また閉じるの繰り返し。


料理の良い匂いはして来てるんだけど、この少しの時間でも正直今は待てる気がしない。



そうして部屋をぐるりと見渡すと、目に入るのは夢崎さんのスマホくらいだった。




「…あっ、夢崎さぁん」


「？…どうかした、清川くん」



俺が夢崎さんのスマホを片手に声を掛けると、夢崎さんは直ぐにひょいっと顔を出して応えた。


そんな夢崎さんに俺は、「スマホ見て良い？」と尋ねると、何やら数字を四桁言われた。



「へ？」


「それパスワード掛かってるから、開く時入力してね」



「…えっ、見て良いんだ…」



自分から尋ねたにも関わらず、パスワードの掛かったスマホを見て良いと言われたことに思わず呆然としてしまった。


何の数字なのかは全く分からぬままそれを入力すると、開いたホーム画面は思いの外いじられていなかった。



案外飼い猫の画像にしてるのかと思ってたけど、まあ良いか。



「夢崎さん、さっきのパスワードって何の数字なの？」


「ん？た、誕生日？」



何故か吃りながら最後疑問形になっている夢崎さんに、俺が疑問形になりそうだ。


もしかして彼氏出来たとか？その彼氏の誕生日とか？



変にどうでも良いことなのに凄く気になってしまう俺は、無神経にも尋ねた。



「えっ、誰の？」


「誰って…私…」



「…………えっ！？」



突然の誕生日発言に、思わず驚きの声を上げた。


そんな俺に夢崎さんは、「自分の誕生日パスワードにしてるとか引いたでしょ」と小さくぼそぼそと言った。



いや別に引いてないし、家族に特定されやすいパスワードだけど、逆にそこが可愛い。


そっか、誕生日だったのか。今年祝ってあげようかな。



そんなことを思いながら、何か面白いものは無いかと、取り敢えず写真のアルバムを開いた。




「…ホーム画面はいじってないのに、猫の画像ばっかじゃん…」


まあ女子らしいと言うか、何というか。


俺やレトさんのアルバムとはまた違うジャンルの写真達に新鮮さを覚える。









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「…あっ」



写真をスクロールしていくと、夢崎さんと写る男の写真が数枚、目に入って来た。

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