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黄色192 ページ42

待ち合わせの1時間前に、待ち合わせ場所に着いた俺は。


少し夢崎さんを待つこの状況に飽きつつも、スマホを流し見て時間を潰した。



「…夢崎さん、まだかな…」


待ち合わせ時間にはまだ時間がある。


夢崎さんが今くるはずもないのだが、そんな夢崎さんが来ることを期待しつつ待つ。



早く来て欲しいけれど、きっと当の夢崎さんがやって来たら、緊張で喋れなくなるだろう。


悟られてはいけない、今日俺が告白するということを。



その為には…、なんてぶつぶつ呟いていると。






「あっ、清川くん!」



突然、夢崎さんの声が聞こえた気がして、思わず肩を揺らす。


遂には好き過ぎて、聞こえない筈の声が聞こえるようになったのか。



なんて思いながら声のした方を振り向くと、其処には本人が立っていた。



「あっ、えっ!?待ち合わせの時間までまだ…」


「まだ二十分あるよ。そう言う清川くんだって、やけに早くから居るね」



そう言われ、両頬が熱くなるのが分かった。


夢崎さんと出掛けるの楽しみだったとか、告白するのに緊張し過ぎてとか、分かり易かったらどうしようって。



しかしそんな心配もなく、彼女は自分のことを話し出した。


「遅刻しても駄目だから早めに来たんだけど、結局私が遅くなっちゃった」


「えっ、いや全然!俺が早過ぎちゃっただけで、夢崎さんが普通だから!」



夢崎さんは悪くないのだとフォローすると、「本当?なら良いんだけど」と安心したように笑顔を浮かべた。


嗚呼、こんな入り方だったから、緊張もした気がしない。



やはり夢崎さんは、何処か俺にとっての絶妙な距離をいつも保っていて、一緒にいて心地良い。


俺が好きなのは彼女なのだと、改めて再認識させられた。



「そうだ!清川くん、朝御飯食べた?」


「えっ、あっ、た、食べてない…」



「しまった、そう言えば…」と思わず自分の空腹の腹を抑えると、夢崎さんはまた安心したように息を吐いた。


そんな夢崎さんに、俺は頭上へ疑問符を浮かべる。



「実は私も食べてなくて…ちょっと、寄っても良いかな?」



夢崎さんは、俺を見上げながらそう言って、すぐ其処のファーストフード店を指差した。


その看板を見ただけで、俺の腹も途端に唸りだし、数回頷く。



夢崎さんとのデートには、今や、ファーストフード店に行くことがお決まりごとになりつつあった。

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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 千里さん» はい、安心してください!最終的にはレトルトさん落ちです!最終的には!更新頑張ります!有難う御座います! (2016年6月16日 21時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - 私@ウサギちゃん☆さん» で、ですよね!安心しました(震え声)更新楽しみにしてます笑 (2016年6月16日 19時) (レス) id: 2e848126ea (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 彩華さん» 最近やっと書き方が安定して来ましたが、まだまだです(・_・)そう言って頂けて嬉しいです!読み易ければ幸いです!有難う御座います! (2016年6月16日 6時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 千里さん» 読み返すと自分でも不安になりますが、勿論レトルトさん落ちです!確かに最近キヨさん寄り…こ、此処からですよ、きっと(震え声) (2016年6月16日 6時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - どーやったらこんな上手い文書けるんですか。(´・_・`) (2016年6月16日 0時) (レス) id: 2d791a81b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:私@ウサギちゃん☆ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年3月12日 17時

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