黄色185 ページ35
「そうだレトくん、ゲームしない?」
その一言で、私とレトくんはテレビの前に座り、コントローラーを握ることとなった。
「わッ!あっ!死ぬ死ぬ!」
「レトくん、その敵見つけたら突っ込んでいくの止めようか」
某配管工おじさんでプレイするゲームをやっているのだが、さっきからレトくんは敵に突っ込んでいくばかり。
本人曰く「踏むつもりで飛び込んでいる」らしいが全く踏める気配が無い。
左上の残機に目を向けると、レトくんがどれだけ死んでいるのか見て取れる。
一応1upは殆どレトくんに譲っているのだが、取っては死ぬの繰り返し。
「あああっ、落ちたっ!」
そう言ってレトくんは、何度目かの自尽を迎え、既に見慣れた様子で頭を抱えた。
「…逆に何でAちゃん死なないの」
「いや、一回も死んでない訳じゃないよ。レトくんが死に過ぎなだけで」
私がそう言うと、レトくんは「そうなんだけどさあ…」と項垂れる。
でもレトくん、ミスが多いだけで、下手という訳ではなさそうだ。
事実、昔よりプレイは上手くなっている。
まあでも、私が隣に居るからか、やけにその死が目立っている様にも思える。
「そう言えば、ゲーム上手い友達がいてね」
「そうなんだ」
私が話し始めると、レトくんはコントローラーをぎゅっと握り締め操作しながら応えた。
「清川くんって言うんだけど、前遊んだ時凄くゲームが上手くって…」
「えっ、前?前遊んだの?いつ?」
突然レトくんが食い気味に聞いてくるもんだから、手元が狂って落ちていった。
「あ〜」なんて思いながら、レトくんの質問に応えることに。
「前って言っても、結構前。家に遊びに来た時にちょっとだけね」
「えっ、あっ、そうなの?その時何か言われなかった?」
「何か?別に何も。」
そう答えると「…そっか」と呟き、レトくんは敵に当たって死んだ。
私は泡の状態だった為、プレイヤーが居なくなりそのステージを追い出された。
キリが良いし、もう止めようかと時計を見ながらゲームを片付け始めると。
レトくんは立ち上がり、私に一言いった。
「…Aちゃん、スケジュール帳見て良い?」
何故スケジュール帳なんて見るんだろうか、なんて思いながらも断る理由はなく。
そこのテーブルの上だよ、と伝えるとレトくんは「ありがと」と言って私のスケジュール帳を開いた。
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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 千里さん» はい、安心してください!最終的にはレトルトさん落ちです!最終的には!更新頑張ります!有難う御座います! (2016年6月16日 21時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - 私@ウサギちゃん☆さん» で、ですよね!安心しました(震え声)更新楽しみにしてます笑 (2016年6月16日 19時) (レス) id: 2e848126ea (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 彩華さん» 最近やっと書き方が安定して来ましたが、まだまだです(・_・)そう言って頂けて嬉しいです!読み易ければ幸いです!有難う御座います! (2016年6月16日 6時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 千里さん» 読み返すと自分でも不安になりますが、勿論レトルトさん落ちです!確かに最近キヨさん寄り…こ、此処からですよ、きっと(震え声) (2016年6月16日 6時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - どーやったらこんな上手い文書けるんですか。(´・_・`) (2016年6月16日 0時) (レス) id: 2d791a81b5 (このIDを非表示/違反報告)
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