検索窓
今日:7 hit、昨日:11 hit、合計:173,314 hit

黄色175 ページ25

赤い糸があるのかなんて聞いてみたり、好きな人が出来る気がしないなんて悩んでみたり。


最近の俺って少し可笑しい。



いつもは乗り慣れない電車に揺られながら、隣で辛うじて人差し指だけが吊り革に引っ掛かっているAさんを見た。


お酒に弱いAさんは、ウイスキーと言う強敵をグラス一杯飲み切ったのだ。



付き合わせた俺も悪いと言うことになり、いつもは改札を抜けると分かれるAさんを送って帰ることになった。



「…はっ」



突然目を開き、数回瞬きをしたAさん。


どうやら時間による眠気と酒により、電車に乗ってからはずっと寝惚けているらしい。



そろそろ目でも覚めただろうかと顔を覗き込むと、「津和くん、…どうかした?」と逆に尋ねられ。


そして首振り人形の如く、再度こくりと眠気と戦い始めた。



普段は深夜まで起きていることも珍しくないと言っているAさんだが、流石にいつもは無理なのか。


此処まで付き合わせたことが少し申し訳ない。





しかし、赤い糸がどうこう好きな人がどうこうと奇妙なことを言い出したのは、ある意味Aさんの所為だ。


最近、やたら「親友」さんのことを相談されるし、この前も中学時代の同級生(男)に夕飯をご馳走したのだとか。



確かにこんな美人さん、誰かが放っておく筈が無いけれど。


同じ非リア同士として、色んな話をし合った仲だ。



最近のAさんの話を聞いていると、Aさんが今にもリア充になってしまいそうで。


置いて行かれる様な気がして。



何故だか凄く怖くなって。







「…眠い?」



こくりこくりと首を動かし続けるAさんに尋ねてみるが、頷いているのかすら分からない。


いや、もう意識は此処にないのかもしれない。



「俺、Aさんの降りる駅分かんないから、ちゃんと教えてよ?」


「うん」



俺の言葉に、また目を開き、吊り革を握り直したAさんだが、また眠気との戦いに入り始めた。


いつもは頼れるAさんだけど、何故か今だけはその「うん」が信じられない。



Aさんが倒れてしまわない様、Aさんの背中に手を添え少しだけ力んだ。

黄色176→←黄色174



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (179 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
338人がお気に入り
設定タグ:実況者 , レトルト , キヨ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 千里さん» はい、安心してください!最終的にはレトルトさん落ちです!最終的には!更新頑張ります!有難う御座います! (2016年6月16日 21時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - 私@ウサギちゃん☆さん» で、ですよね!安心しました(震え声)更新楽しみにしてます笑 (2016年6月16日 19時) (レス) id: 2e848126ea (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 彩華さん» 最近やっと書き方が安定して来ましたが、まだまだです(・_・)そう言って頂けて嬉しいです!読み易ければ幸いです!有難う御座います! (2016年6月16日 6時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 千里さん» 読み返すと自分でも不安になりますが、勿論レトルトさん落ちです!確かに最近キヨさん寄り…こ、此処からですよ、きっと(震え声) (2016年6月16日 6時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - どーやったらこんな上手い文書けるんですか。(´・_・`) (2016年6月16日 0時) (レス) id: 2d791a81b5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:私@ウサギちゃん☆ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年3月12日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。