黄色173 ページ23
「お疲れ様」
「あれ、津和くんだ」
いつもより少し時間が回り、外も暗くなり始めたころ。
店長が最後の見回りに行き、やっと解放された私が帰る支度をしようとすると、後ろから津和くんに話し掛けられた。
あの清掃の後、確か津和くんはいつも通りに終わって、先に帰った筈なのに。
何故最後まで店長と残っていた私の目の前に、そんな津和くんが居るのか。
「津和くん、てっきり先に帰ってたのかと思ってたけど」
「ああ、うん。帰ろうと思ったんだけど、何かAさんと話したくて」
メールや電話があるじゃないかと思ったが、それに気付かない程津和くんも馬鹿じゃない。
きっと、直接話したくて意図的に私を待っていたのだ。
「直ぐそこにさ、行きつけのバーあるから…時間あれば、そこで話さない？」
「うん、良いよ」
生憎、仕事が終わっても大した用事は無い。
最近はお隣さんが、猫を預かりたいと言って、早く帰らなければならない理由も無くなったし。
私は机に広げていた小物達をかき集め雑に鞄へ片付け、肩に掛けた。
恐らく店長が来るまでの数分無人であろうスタッフルームの電気は敢えて消し、私と津和くんは店を後にした。
そして連れて来られたのは、会員制の客が少ない、全体的に物静かなバーだった。
「…意外」
「へっ？何が？」
紳士的にも、私の席を引き、私を先に座らせるとその隣に腰をかけた津和くん。
どうやら思わず口に出してしまっていたらしく、不思議そうに私を見る。
「いや、津和くんが会員制のお店知ってるとは思ってなくて」
「そうだね…自分が一番驚いてる」
少し失礼かもしれないけど、ただ単純にそれが意外だった。
でも津和くんは怒ることなく、私の率直な感想に応えた。
会員制って何処か行き辛いし、紹介されない限り、きっと人生で一度も立ち入ることは無いと思う。
私自身、会員制のお店は愚か、バーすら初めて来たのだから。
「何にします？」
「へっ！？あっ、えとっ…」
突然マスターに話し掛けられて、思わず間抜けな声が出る。
突然の対応には二十数年生きていても何処か慣れないもので、隣の津和くんに助けを求めるように目を向けると。
「何か飲みたいものある？奢るよ？」と私が答えやすいように問い掛けてきた。
本当、こんな雰囲気のお店ではどんなものを頼めば良いのか分からなくて。
「ウイスキーのソーダ割りで」
そう答えた。
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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 千里さん» はい、安心してください！最終的にはレトルトさん落ちです！最終的には！更新頑張ります！有難う御座います！ (2016年6月16日 21時) (
レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - 私@ウサギちゃん☆さん» で、ですよね！安心しました（震え声）更新楽しみにしてます笑 (2016年6月16日 19時) (レス) id: 2e848126ea (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 彩華さん» 最近やっと書き方が安定して来ましたが、まだまだです(･_･)そう言って頂けて嬉しいです！読み易ければ幸いです！有難う御座います！ (2016年6月16日 6時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 千里さん» 読み返すと自分でも不安になりますが、勿論レトルトさん落ちです！確かに最近キヨさん寄り…こ、此処からですよ、きっと(震え声) (2016年6月16日 6時) (レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - どーやったらこんな上手い文書けるんですか。(´･_･`) (2016年6月16日 0時) (レス) id: 2d791a81b5 (このIDを非表示/違反報告)
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