黄色110 ページ10
『えっ、じゃあレトさんはそのAちゃんと昨日会えたんだ』
「うん、まあね」
スマホを耳に当てながら、財布からワンコインを取り出し、自販機に入れた。
ピッと苺みるくの下にあるボタンを押すと、ストロー付きの苺みるくが落ちてくる。
それを手にとり、肩で支えていたスマホを改めて手に取ると、それを分かっているかの様にキヨくんも話し始めた。
『ふーん、まあ良かったじゃん』
「…興味無さげやな」
『現に興味ねえし』
まあ、俺が一人テンション上がって勝手に昼休み電話掛けただけで、キヨくんが興味無いのは事実。
別に良いじゃん、と口を尖らせながら一人、ベンチに座り込んでコンビニの袋をあさる。
ここのところ、まともなご飯食べた記憶が無いな。
昼御飯であるコンビニ弁当を食べる前に、苺みるくのパックにストローをさした。
一口だけ飲んで口を離し、「まあさ、」と言葉を続ける。
「俺からは、それだけ。ただ嬉しかったから、報告みたいな」
じゃあ、と言って切ろうとしたが、言う前にキヨくんの「あ、なあ」と言う声によって遮られた。
『話変わるけど、そのAちゃんの隣にいた奴、誰か分かったのか？』
「…」
話変わってるような…変わってないような。
「そんなの本人に聞ける訳ないだろ」と言う気持ちと、「止めろ、その話は出すな」という二つの気持ちが混ざり合って、思わずいらいらとしてきた。
キヨくんって本当空気読めないよね、KYだよね、頭良いのに。本当勿体無い。
そう思い思わず溜息を漏らすと「あ、まだ聞いてねえんだ」と悟られた。
「聞ける訳ないやろ。ただでさえ、久々に会ってまともに話せなかったのに」
『ヘタレ』
「うるさい」
電話越しに彼を睨めば、それが分かったかのように「怒んなって」と笑いながら言われた。
いや、まあ俺は確かにヘタレなのかもしれない。
もしそうなら、もう認めるしかない。
「聞いたら、その時見てたってバレるじゃん」
『さあ？もしかしたらバレてるかもよ』
そんな無責任な言葉に、背中に冷や汗が伝うのが分かった。
もしバレてたら、俺ただAちゃん追い掛けてるストーカーみたいじゃん。
「まあ、遠回しに聞いてみろよ」と言われ、通話は切れてしまった。
本当無責任だな、あいつ。
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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - アキさん» ああああ有難う御座いますんんんんんん (2016年6月29日 22時) (
レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
アキ - レトさーんんんんんん (2016年6月29日 20時) (レス) id: 4352fad482 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 繭子さん» はじめまして！そんなに褒めて頂けて嬉しいです！近くて遠い切ないところも意識して書いているので良かったです！気まぐれ更新ではありますが、頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月10日 7時) (レス) id: c297b50f4f (このIDを非表示/違反報告)
繭子 - はじめまして。今日初めて出会った作品なのですが、この世界感に惹き込まれました！！それぞれの思いが糸のように絡み合う……どこか切ないところに心がウズウズしてます。これからの展開がとても気になります……！！応援してます(*^^*) (2016年2月9日 21時) (レス) id: 60e1ca5364 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 抹茶。さん» そうですね…確かに、知らず知らずと言うのが一番切ない気もしますね…。最近は更新がスローペースになりがちですが、次の展開の為にも頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月8日 21時) (レス) id: a192a87f35 (このIDを非表示/違反報告)
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