黄色148 ページ48
足早に帰り、お隣さんに預けていた猫を早急に取りに行くと、お隣さんはご機嫌だった。
どうやらこのアホ猫がどうも可愛かったらしく、「私も猫飼ってみようかな」だそうだ。
まあ、猫好きが増えてくれるのはただただ嬉しい。
「そうですか」なんてただ相槌を打っただけの会話をして、私は猫片手に部屋へ戻った。
「ほらお行きなされ」
戻って直ぐに下ろし、背中を押してやると、いつもは頑なに動こうとしないくせに機嫌が良いのか、のろのろとリビングまで歩き始めた。
「え、何こいつ」
いつもとは違い私に従う其奴にただ頭を傾げるばかり。
恐らく、いつもは遅くに帰ってから餌をやる為、腹が空いて機嫌が悪いらしく。
今日機嫌が良いのは、きちんと一日中相手してもらい、食べたい時に餌も貰えたからと見た。
じゃあ私がいてちゃんと餌やれば此奴は本来こんな人懐っこいとでも言うのか。
「そんなにお隣さんが良いなら行ってしまえ」
「みー」
「返事すんなっ」
いつもなら私に見向きもしないくせに、今日に限ってはやたら足元に擦り寄ってくる。
いつもならそんな其奴を気にすることはないのに、今日に限ってはやたらお隣さんに嫉妬してる。
お隣さん、恐るべし。
自分のペットの胃袋を掴まれて(キャットフードだけど)、嫉妬するなんて一生の不覚。
「…別にお前が可愛いから嫉妬してるとか、そんなんじゃないからね」
擦り寄り、撫でることを要求してくる其奴を撫でていた手を止め、私は立ち上がった。
もうお風呂に入って寝てしまおうか。
さっさとお湯を溜めようなんて風呂場へ向かえば、その後ろをちょろちょろと着いてくる其奴。
どうも素直になれない自分に嫌気がさす。
もっと此奴を可愛がってやれれば良かったのに、もっと自由にしてやれれば良かったのに、なんて。
此奴が居なくなった後、私は何回も後悔するんだろう。
「…今日は一緒に寝るか」
「みー」
私の言葉に返事をするをするように鳴き、尻尾を一回だけ振った。
今日だけは、特別。
せめて此奴も私も、機嫌が良い今日だけは。
素直に接して居たい。
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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - アキさん» ああああ有難う御座いますんんんんんん (2016年6月29日 22時) (
レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
アキ - レトさーんんんんんん (2016年6月29日 20時) (レス) id: 4352fad482 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 繭子さん» はじめまして！そんなに褒めて頂けて嬉しいです！近くて遠い切ないところも意識して書いているので良かったです！気まぐれ更新ではありますが、頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月10日 7時) (レス) id: c297b50f4f (このIDを非表示/違反報告)
繭子 - はじめまして。今日初めて出会った作品なのですが、この世界感に惹き込まれました！！それぞれの思いが糸のように絡み合う……どこか切ないところに心がウズウズしてます。これからの展開がとても気になります……！！応援してます(*^^*) (2016年2月9日 21時) (レス) id: 60e1ca5364 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 抹茶。さん» そうですね…確かに、知らず知らずと言うのが一番切ない気もしますね…。最近は更新がスローペースになりがちですが、次の展開の為にも頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月8日 21時) (レス) id: a192a87f35 (このIDを非表示/違反報告)
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