黄色139 ページ39
「…ねえ、Aちゃん…何でマクドなの？」
もう昼過ぎとは言え、やはりマクドは時、場所関係無く、人が多かった。
しかし当の本人は、そんなことを気にする様子もなく、先程店員さんに配られたメニュー表を眺めていた。
「あ、レトくん。私クーポンあるからポテト安くなるよ」
「聞いてる？」
はあ、と呆れたような溜息を吐くと、やっとAちゃんはメニュー表に向けていた顔を上げた。
それが若干楽しそうな表情なのは、気の所為だろうか。
「えっ、マック嫌だった？」
「別に嫌とは言ってないけどね！」
じゃあ良いじゃん、と鼻歌を歌いながら再度メニュー表へ視線を落とすAちゃんを横目に、頬を膨らませた。
だって、Aちゃんはそうでないとしても、俺はばりばりデートのつもりで来てるのに。
俺の思い描いていたオシャレなカフェとは掛け離れた、混雑しているマクドとは。
やっぱり俺、Aちゃんには友達としか思われてないんかな。
「…ねえ、何でマクドなの？」
この台詞を吐いても無駄だと分かっていながらも、口にしてしまう俺は構ってちゃんなのか。
しかし、わざわざマクドにする必要も無いのではとまだ納得していない俺が居るのも事実。
どうしても思わずそう言葉を漏らしてしまうのだ。
「何でって聞かれても…この前来た時はシェイクしか頼めなかったから？」
「何で疑問系なの」
「今日のレトくん、質問多いな」
此処までしつこく話し掛ける俺は、やはり構ってちゃんのようだ。
優しいAちゃんでも、流石に呆れ顔を浮かべてしまうのは分からなくも無い。
「まあマック好きだし、美味しいし、良いじゃん」
そうへらりと笑い、事を片付けてしまうAちゃんに、少しだけ納得してしまう俺も単純なものだ。
まあ、昼を食べて来なかったのも事実。
こう誰かと遊びに行くとどうもマクドに寄りたくなるのは、ある意味仕方の無いことなのかもしれない。
「次でお待ちのお客様、どうぞ！」
そう言われ、二人でレジ前に立つと、注文をとられた。
自分で言うのもなんだが、異性でここまで仲の良いのも珍しいものだ。
今はこの関係に満足していた方が良いのかもしれない。
そっと俺は一人、そんなことを考えた。
後々、何故かAちゃんに「レトくんはクリスプ二つ食べないんだね」と聞かれたのは、また別の話。
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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - アキさん» ああああ有難う御座いますんんんんんん (2016年6月29日 22時) (
レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
アキ - レトさーんんんんんん (2016年6月29日 20時) (レス) id: 4352fad482 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 繭子さん» はじめまして！そんなに褒めて頂けて嬉しいです！近くて遠い切ないところも意識して書いているので良かったです！気まぐれ更新ではありますが、頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月10日 7時) (レス) id: c297b50f4f (このIDを非表示/違反報告)
繭子 - はじめまして。今日初めて出会った作品なのですが、この世界感に惹き込まれました！！それぞれの思いが糸のように絡み合う……どこか切ないところに心がウズウズしてます。これからの展開がとても気になります……！！応援してます(*^^*) (2016年2月9日 21時) (レス) id: 60e1ca5364 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 抹茶。さん» そうですね…確かに、知らず知らずと言うのが一番切ない気もしますね…。最近は更新がスローペースになりがちですが、次の展開の為にも頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月8日 21時) (レス) id: a192a87f35 (このIDを非表示/違反報告)
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