黄色130 ページ30
結局清川くんには部屋まで送って貰い、私は無事帰宅することが出来た。
色んな一面を知ることが出来たし、恐らく中学の頃よりは仲良くなれた筈。
たまにはこんな風に遊びに出るのも良いかもしれない。
「あ、そう言えばレトくん」
あの後はどうしたんだろ、と黄色い糸を揺らしながら手を叩いた。
今日遊んでいても、ちょくちょくレトくんの誘いを断ったことが気になっていたのだ。
糸は切れていない為、私の選択は間違ってはいなかったのだろうけれど。
文字だけで断ってしまったのも申し訳ない。せめて電話だけでもしてみようか。
帰ってその辺に投げた鞄からスマホを取り出すと、直ぐにレトくんの番号を探した。
数コールなり終わると、がちゃりと通話をとった音が耳元に響いた。
「あっ、もしもし…」
レトくんとの電話なんて、何年振りだろうか。少しだけ声が震えた。
『！？、Aちゃん！！』
電話の向こうで、がたがたと何かが転げ落ちるような音が聞こえ、心配になる。
「大丈夫？レトくん」
『だ、いじょうぶッ！ちょっと転けただけで…』
少しテンションが高めのレトくんの声に、「テンション高いね」と笑いながら伝えると、「Aちゃんからの電話嬉しくて！」と照れたように言われた。
その「嬉しくて」と言う言葉が少しくすぐったく感じる。
『それにしても、急にどうかしたん？』
「ん？あっ、うん。今日、誘い断っちゃったから…」
申し訳なさげに言うと、「別に気にしてないよ」と優しく返してくれた。
…レトくんは優し過ぎる気がする。
「だから、今度遊びに行こうかなって」
予想外にも、咄嗟にそんな言葉が出てきた。
別にそんなつもりで電話を掛けた訳ではないが、優し過ぎるレトくんに思わず。
するとこれまた、自分の言葉以上に予想外な言葉が返ってきた。
『えっ！良いの？！行くっ！行きたい！』
いつも、と言っても高校の時、誘ってもそこまで食い気味にノっては来なかったレトくんがまさか。
流石の私でも、積極的なレトくんに戸惑う。
予定の埋め合わせはまた後日と言うことで、此処では一旦通話を切ることにした。
「…びっくりした…」
通話を切って直ぐに、思わずそう呟いた。
レトくんがあんなに積極的なのな、今まで会うことが出来ず、遊べなかったその反動でだろうか。
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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - アキさん» ああああ有難う御座いますんんんんんん (2016年6月29日 22時) (
レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
アキ - レトさーんんんんんん (2016年6月29日 20時) (レス) id: 4352fad482 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 繭子さん» はじめまして！そんなに褒めて頂けて嬉しいです！近くて遠い切ないところも意識して書いているので良かったです！気まぐれ更新ではありますが、頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月10日 7時) (レス) id: c297b50f4f (このIDを非表示/違反報告)
繭子 - はじめまして。今日初めて出会った作品なのですが、この世界感に惹き込まれました！！それぞれの思いが糸のように絡み合う……どこか切ないところに心がウズウズしてます。これからの展開がとても気になります……！！応援してます(*^^*) (2016年2月9日 21時) (レス) id: 60e1ca5364 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 抹茶。さん» そうですね…確かに、知らず知らずと言うのが一番切ない気もしますね…。最近は更新がスローペースになりがちですが、次の展開の為にも頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月8日 21時) (レス) id: a192a87f35 (このIDを非表示/違反報告)
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