黄色127 ページ27
「…暇やなあ…」
部屋の床に寝転がり、ごろりと転がりながら思わずそう呟いた。
まあ折角の休日に予定を入れない方が珍しいのだが、まさかAちゃんに用事があるとは予想外だった。
Aちゃんを誘って断られたことはないから、何故かこうもやもやする。
初めて宿題をサボってゲームを取り上げられた子供の気分だ。
今頃キヨくんは高嶺の花子さんとやらとデートなのかと考えれば、それは尚更のことで。
余計にもやもやとした気持ちと、壊したくなる気持ちが強くなる。
デートを邪魔してやろうか、なんて黒い感情まで湧き出る程だ。
…所詮俺は、主人公の恋を邪魔する悪いライバルにしか過ぎないのか。
昔から俺はそうだ。感情のまま突っ走って、結局迷惑しかかけてない。
「…電話だけやったら…」
先程、ツイッターを開いてもすることがなくなり、投げ捨てたスマホを拾い上げた。
邪魔はしないから、電話で現状だけでも知りたい。
そんなことを思いながらキヨくんの番号を見つけると、迷い無く、通話ボタンを押した。
『あい、もしもし』
「あ、キヨくん？」
何とも舞い上がっているような声に、再度黒い気持ちが押し寄せそうになった。
が、それを押さえ込んで、いつも通りに話しかけた。
『ああ、なんだレトさんか。どーかした？』
俺だと分かって声のトーンが下がったが、それはいつもよりはやはりトーンは上がっていた。
「いや、別に…今何してんのかなーって」
『何って、デートだろ』
「そりゃ知ってるわ」
少し会話に雑音が入って来る。恐らく、ゲーセンにでも居るのだろうか。
デートなのにゲーセン付き合ってくれるってどんな優しい子やねん。Aちゃんかよ。
高校のクリスマスを思い出しつつ、「高嶺の花子さんは？」と尋ねた。
『今ゲームに熱中してる。凄えゲーム上手えの』
「へえ、そうなんや」
驚いた、その高嶺の花子さんとやらは、キヨくんが惚れる程の美人で優しくて、ゲーマーなのか。
結構ハイスペックな高嶺の花だ。
するとどうやら、デートの邪魔はされたくないようで、もう切って良いのかと必要以上に急かしてきた。
これ以上話していると本当に邪魔になりそうだと了承し、俺から通話を切った。
正直、羨ましい。好きな人とデート出来るキヨくんが。
まあこれ以上羨んでも意味が無いかと、俺は再度スマホを側に投げ捨てた。
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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - アキさん» ああああ有難う御座いますんんんんんん (2016年6月29日 22時) (
レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
アキ - レトさーんんんんんん (2016年6月29日 20時) (レス) id: 4352fad482 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 繭子さん» はじめまして！そんなに褒めて頂けて嬉しいです！近くて遠い切ないところも意識して書いているので良かったです！気まぐれ更新ではありますが、頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月10日 7時) (レス) id: c297b50f4f (このIDを非表示/違反報告)
繭子 - はじめまして。今日初めて出会った作品なのですが、この世界感に惹き込まれました！！それぞれの思いが糸のように絡み合う……どこか切ないところに心がウズウズしてます。これからの展開がとても気になります……！！応援してます(*^^*) (2016年2月9日 21時) (レス) id: 60e1ca5364 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 抹茶。さん» そうですね…確かに、知らず知らずと言うのが一番切ない気もしますね…。最近は更新がスローペースになりがちですが、次の展開の為にも頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月8日 21時) (レス) id: a192a87f35 (このIDを非表示/違反報告)
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