黄色121 ページ21
流石に先輩に見られながらの電話もし辛いと、適当に理由をつけ、先輩から離れた。
仕事中に電話するのって、結構な迷惑野郎だからね、本当。
「で、何か用？」
やっといつもの調子でそう素っ気なく尋ねた。
するとキヨくんは、嬉しそうに「そうそう！」と声を上げる。
『実はな、…ふっ』
そう言って嬉しそうに笑う声が、耳に触れ、思わず顔を顰める。
何というか、嬉しそうなキヨくんの声が、気持ち悪いと言うか、耳触りが悪くて嫌になる。
嬉しそうな相手に対してこう思ってしまう俺は、相当性格が悪いのか。
「…その声耳障りだし、はよ言え」
『何だよ…人が喜んでるってのに』
まあ流石に耳障りと思っても口にしたのはやり過ぎだったか。
しかしそれすらも思わないほど、俺は何故かイライラしていた。
人が嬉しそうだと、それを壊したくなる。でもいざ壊れると、心配になってしまう俺は都合が良いのだろうか。
機嫌が悪くなったであろうキヨくんには敢えて反応せず、「で？本当何」と尋ね直した。
『そう、実はな…誘えたんだよ！』
突然声のボリュームが上がり、びくりと肩を揺らし、顔を顰めながらスマホを耳から離した。
耳の痛みも消えると再度スマホを耳に当て、反応を返す。
「誘えたって、何に」
『映画！』
…何で此奴単語だけで喋るの。
主語を言えよと思いながら、興奮している様子のキヨくんに言葉の助け舟を出した。
「誰を」
『高嶺の』
「ああ、そう」
キヨくんの言葉を最後まで聞くまでもなく、それは誰なのかが分かった。
そう言えばこの前、どうやって映画の前売り券買うのか聞きに来てたっけ。
『もう俺、断られるかと思って…すっげえドキドキした！』
「はーん」
自分は良くキヨくんに、Aちゃんがどうこうとうるさいが、いざキヨくんの好きな人のことを言われても、聞く気にならない。
所詮俺は、自分のことしか考えてないのか。
「ねえ、切って良い？仕事戻りたいんだけど…」
早く残業終わらせたいんだけど、と付け足せば、満足したもでも言うように機嫌良さげな様子で「ああ、じゃあな！」と切られた。
…俺もそろそろ、頑張った方が良いんかな。
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私@ウサギちゃん☆(プロフ) - アキさん» ああああ有難う御座いますんんんんんん (2016年6月29日 22時) (
レス) id: 24b6d4d48a (このIDを非表示/違反報告)
アキ - レトさーんんんんんん (2016年6月29日 20時) (レス) id: 4352fad482 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 繭子さん» はじめまして！そんなに褒めて頂けて嬉しいです！近くて遠い切ないところも意識して書いているので良かったです！気まぐれ更新ではありますが、頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月10日 7時) (レス) id: c297b50f4f (このIDを非表示/違反報告)
繭子 - はじめまして。今日初めて出会った作品なのですが、この世界感に惹き込まれました！！それぞれの思いが糸のように絡み合う……どこか切ないところに心がウズウズしてます。これからの展開がとても気になります……！！応援してます(*^^*) (2016年2月9日 21時) (レス) id: 60e1ca5364 (このIDを非表示/違反報告)
私@ウサギちゃん☆(プロフ) - 抹茶。さん» そうですね…確かに、知らず知らずと言うのが一番切ない気もしますね…。最近は更新がスローペースになりがちですが、次の展開の為にも頑張ります！ありがとうございます！ (2016年2月8日 21時) (レス) id: a192a87f35 (このIDを非表示/違反報告)
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